リウマチ外科医の徒然草

リウマチ診療を中心に過ごす外科医の、日々あったこと、考えたことをつづります

リウマチ手人工関節の進化と問題点▼Self Locking Finger Joint system(SLFJ)とpit fallについて

最近は時間が取れたら、”あとからでも検索で残るように”

を心がけて書いています。

 

関節リウマチにおいて、最大の問題点は炎症です。

炎症はあらゆる事象を引き起こします。

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・骨びらん

・軟骨破壊

・骨量減少

・靭帯断裂

・腱断裂

・支持機構破綻

 

 

支持機構の破綻を代償するための強固な拘束力のある人工関節置換は、

骨量減少のためむつかしく

設置後短期に人工関節のゆるみがよく発生していました。

 

 

実物と実際の使用

しかし、まずインプラントが良いものができました。

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www.teijin-nakashima.co.jp

 

南川先生の開発したもので、

クリックすると新しいウィンドウで開きます南川先生

 

ねじ切り部での初期固定とフィンによる初期固定

期待できるため、うまく固定ができると長期成績が期待できます。

さらにbone ingrowthも起こります。

 

ただし問題点があります。

ポリエチレンはまだ股関節などと比較すると弱いため、

摩耗粉によるゆるみには気を付けないといけません。

 

 

また、生物学的製剤の登場で関節局所におけるRANKLが減少し、

破骨細胞の分化現象、つまり

骨びらんの減少とハーバース管を通じた骨髄内への破骨細胞への遊走

を減らせます。

 

つまり骨端部の骨量減少を低減できるようになりました。

したがって、以前よりも強いインプラントの設置が可能となりました。

 

 

 

しかし問題点は依然として残っています。

 

スワンソンインプラントは、なるようになるといいますか、

守るべきルールだけ守れば、それなりにバランスが取れて伸展ができるようになります。

 

しかしこのインプラントは違います。

表面置換なので、自己整復力がありません。

腱と靭帯のバランスが整わないと、脱臼するのです。

 

つまり、セッティングの難しいマシン。

 

まず、橈尺側へのバランス。

最近のリウマチでは、意外と靭帯は残っています。

 

特に尺側は、付着部も残っているのです。

しかし、伸展側はフードも弛緩し、中央策も尺側偏位。

内在筋は掌側に落ち込んでいます。

 

 

www.orthopaedicrheumatologist.com

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内在筋腱は高度短縮です。

したがって、MPJの脱臼で掌側の拘縮も解除しないといけません。

でないと、基節骨が掌側に引っ張られていて、

人工関節がまさかの掌側脱臼するのです。

 


フィンの広がる角度が、インプラントサイズにより大きく異なります。

昔は結構容易に開くと思っていましたが、

実は開いてもとまっていないことがあるのです。

向きにも注意が必要です。

 

 

さらにギャップの作成にも注意が必要です。

スワンソンと違って、後戻りができません。

 

ねじ部がテーパーなので、戻すと初期固定はなくなります。

厳密にはなくならないのですが、ねじ切りはさすがに浅いのです。

 

 

 

つらつらと書きましたが、

これらを備忘録として使ってもらえると助かります。

 

では。