リウマチ外科医の徒然草

より良く生きるための抜け穴探しのゆる~いブログ

紙カルテの時代はよかった~ 電子カルテのいいところは「顧客サービス」でしかない 

管理人です。

以前あえて紙カルテに戻ることによるメリットを感じたことを書きました。

 

www.orthopaedicrheumatologist.com

 

だんだん全容が見えてきました。

・以前は完全紙カルテだったが、最近はそれを印刷・保存するようになった

・しかし今でもすべての運用は紙ベースである(検査は他の機関ですることが多い)

・紙カルテなので、他科の情報など除外して各科カルテになる

・時々誰かがカルテを持っていって、どこにあるかわからない

 

クリックすると新しいウィンドウで開きます

これらは以前に日本でわれわれも経験をしたことです。

 

他科情報がないことは、アレルギーや既往歴の情報が非常にとりにくい。

リスクをはらむものであったため、日本でも全科カルテに切り替わった経緯があります。すなわち患者にカルテと同内容を印刷して渡すのはいいのですが、自分の記録は地震で管理しないと自分を守れない・・・というのが本当のところのようです。

 

 

日本はサービス大国

 

これを提供する業務の係の方には、尊敬の念を抱きます。

www.zinseitanosiku.com

 

トラブルを回避するという目的のためには、

自分勝手な顧客?の要望もはじめから飲んでしまって、イライラをおこさないようにするのが大事という考察がなされています。

 

 

もういいよ。だって?

飲酒状態とは言え、もやしを要求した客に私は怒りすら覚えます。

 

海外でこんな事したらつまみ出されるぞ!

日本人は提供されるサービスに甘えていると思います。

 

<広告>

 

 

 

 

 

 

電子カルテに戻ります

 

電子カルテの導入の目的は、

おそらく紙カルテのデメリットを克服することであったはずです。

 

先ほどの客の甘えの話にもつながりますが、

自分の情報を紛失されることに対するリスク管理から、患者は自分の情報を持ち運ぶのだと思います。

人によっては、2泊3日くらい分のカバンを持ってきています。

 

 

電子カルテにしたことで、顧客のリスクを減らすことができました。

また、画像の電子化と貯蔵に成功し、同時に複数個所で使用することができるようになりました。ものすごい顧客サービスだと思います。

 

病院が勝手に自分の記録をデジタル化してためておいてくれるなんて。

しかも記録開示を請求すればもらえるなんて。

 

 

正直、紙カルテの時代の方がわれわれは業務は円滑でスピーディーでした。

 

繰り返します。

私は電子カルテは顧客のためのサービスでしかないと思っています。

 

<広告>

 

 

 

 

 

この記事を参照してください。

この方のある意味ど真ん中の目線によると、

 

整形外科医のブログ : 毎日新聞「医療事務はタダ働きが当然!」

 

国民の他人に対する過剰要求を肌で感じることができます。しかも無料?!

 

 

紙カルテなら、院内のコピー機で好きにさせて、実費だけもらえばよかったのです。

 

 

医療は営利か公共か?

 

「めんおう」さんの上記のブログを見て、本当に興味がわきます。

営利企業の組織の柔軟さとスピード感がある決定力に、私はある意味憧れをいだきます。しかしもって、利益を上げるという目的のために、犠牲にすることも多くあります。それが日本の顧客を勘違いさせるような風土を生んできたことは間違いありません。 

 

 

よく夫婦げんかで、「当たり前」と思うようになったら衝突が生じる。といいます。いつもしてもらっていることに感謝を忘れない・・・そうありたい。

 

 

客なんだからこういうサービスを受けて当たり前。

そう思った時点で、客は客でなくなると私は思っています。

 

 

医療は営利企業ではない・・・はずなので、公共性・そして公平性が求められます

そこに相反する人間ならだれもが抱く「自分だけでも良くなりたい」という感情が必ず生まれます。誰かが受けた良い治療を自分がい受けられなかったら不満を感じる。

 

当然のことです。公平でなくてはいけません。

しかし公共性もあるので、高額の治療などでは患者限定の状況は避けれません。

ここの議論は、きりがないのでやめます。

 

 

しかし顧客サービスが医療においても「当たり前」になっているという現実だけは、目を背けてはいられません。

あるものは開業して、営利企業に自分を改変する。あるものは厳しい現場から身を引くために集団退職をする。あるものは企業とグルになって別の評価を求める。

 

<広告>

 

 

 

現在リウマチ診療において、生物学的製剤の使用は当然にものになってしまいました。

それどころか技術の進歩により、もっと高額の生物学的製剤が使用され、2016年からハーボニーや、オプジーボなどが高額使用のトップに躍り出ました

 

 

 

これからも日本の医療は顧客サービスに感情の赴くがままにシフトするのか、それとも屋台骨を支えるべく荒療治(混合診療の導入など)や海外からの人材受け入れを経てでも改革をするのかは見ものです。

 

10年後に未来に直結しています。

 

 

先日とあるメルマガで、面白いくだりを見つけました。

ホテルマンは〇〇でないと勤まらない。

 

 

なんだろうかな~って真剣に考えました。

誠実かな~、正確かな~、逆にアバウトでないとできないのかな??

まじめさが一番? それか人が好き??

 

 

メルマガの主は、とあるホテルマンから直接聞いたそうです

24時間休むことなく動き続けるホテル。

 

私が止まるようなシティーホテルでももちろんですが、

帝国ホテルのような一流のところではどうなのでしょう?

 クリックすると新しいウィンドウで開きますあくまでイメージです

 

答えは「ドM」だそうです。

 

やられました。

それと同時に、究極のサービス業とはこういうことかとおおむね理解しました。

 

業務の先に自分の目標があって、さらに行為が自分の嗜好に合っていないと長続きしないですね。

ということは、医師は基本的に・・・というか、外科医は基本Sでないと務まりません。

 

 

自分がサービス業に向いていないことを痛感いたしました('Д')

 

では。