欧州における朝は早いです。
とある科の朝のラウンドは午前7:00から行われます。
私の科はそれほどでもありませんが、午前8:15から毎日カンファレンスです。
欧州の冬は夜がとても長いため、朝日を浴びる時間がほとんどありません。
(朝8時に明るくなって、午後4時には暗くなる季節もあります。)
冬鬱という言葉もあるくらいで、電灯の下に長時間いるという治療があるくらいです。
ということで、
朝出勤するときにはほとんどの場合、暗い中、寒いので下を向いて歩きます。しかもポケットに手を突っ込んで。まるでなにか後ろめたいことでもあるのではないかというように、まるで徘徊するように、下を向いたまま、病院に入っていきます。
こんな生活をしていればあまり明るくなるということないです。その日のことをマイペースに行い、終われば帰って家で過ごす。家に帰る前は、どこに出かけようかとも思うのであるが、家に帰ってしまうと、もう真っ暗で、外は雪がちらつくこともある。もうまるで外出は悪魔に飲まれに行くようなものとさえ思えるくらいだ。
この時点でもうあきらめ、自宅でビールを開ける。
ぷしゅっ この音だけは日本と変わらない。安心が心に響き渡る。海外では自宅以外では常に何かに注意をしていないといけない。心が休まる時がないのである。疲労もその分、約1.5倍は感じるようで、午後3時くらいにはもう体が動かないと思うことさえある。
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ところが今日は見え方が違った
2月も中旬、バレンタインデーも終わり、謝肉祭のカーニバルも終わり、これからは欧州も春に向かう。
朝歩いてみると、寒いのは相変わらずであるが、なんだか明るいのである。
こんなに明るい日差しを見るのは久しぶりだ。
心なしか、自分の気分もこれから出勤で、相変わらず聞こえないドイツ語を聞くのにややうんざりしているにもかかわらず、なんだかいいことが起きるような気さえする。やっぱり人間は太陽を浴びるに限る。こんなにAKHが明るいのは初めて見たかもしれない。本当は何度も見ているであろうが、気分的には初めての明るさである。
人間は感情を持っているゆえ、非常に不安定な生き物である。決して予想がつかない。感情が社会性といわれるものを生み、それに伴う悲哀もある。したがって、冬鬱は欧州では気をつけないといけないものというのも、非常に納得できる。
可能であれば、タイや地中海など、バカンスに出て日を浴びるのが最も良い治療法である。欧米人がやたらとビーチで肌を焼くのは、肌を焼く=心も健康を意味するということであることを、自分としてはようやく実感できた。
思わず上を見上げました。
きっと今日はいいことがあるに違いない。
今日も頑張ってみよう。
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朝のカンファレンスを終え、Secretary roomに自分のコーヒーカプセルを置いているので、朝の一杯を入れに行きました。
Nespressoの機械の水の量を確かめ、スイッチを入れます。前に使った人のWasteを確認し、カップを置く。自分のカプセルを投入し、ガチャンとレバーを倒す。スイッチを押すと蒸気の音とともに、薫り高いコーヒーが抽出される。鼻をいい香りが包む。
デスクにすわって、至福のひと時を味わいながら、携帯を何気なく見ました。
メールが数点。
日本語の広告メールの様なものが多いのであるが、中に一つ、英語のものがある。
「We are pleased to inform you that your work has now been accepted for publication in ..............」
こうして、データ集めから3年、解析が終わって初回投稿してから1年半、何回も心を砕いて・折ってきた作業は終焉を迎えました。
朝の気分は本当にすべてを変えてくれる・・・
いい一日になりました。