管理人は、以前からリウマチ手について持論を展開してきました。
スワンネック変形、ボタン穴変形、尺側偏位・・・
どれも一筋縄ではいきません。
変形が混在した手
異なる変形をまとめて機能評価できる方法は?
現在手の外科領域で最も用いられている方法は、
Disabilities of the Hand, Arm and Shoulder(DASH)です。
http://www.jssh.or.jp/doctor/jp/publication/kinouhyouka4th/dash1.pdf
これはアメリカで開発されたものですが、日本語版が開発され検証されたため、世界中で使用が認められています。
ゴールデンスタンダートですが、両手の機能を一気に測るため、
多数の変形が混在するリウマチ手には不向きです。
また日本手外科学会から、
手の機能評価表:日常生活動作検査 が出されています。
http://www.jssh.or.jp/doctor/jp/publication/kinouhyouka4th/k-11.pdf
DASHと同じような使い方ができ、生活様式に合った評価法ですが、
海外認知度が低く、論文としては使いにくいことが挙げられます。
最近の海外の動向では、ミシガン大学から出された、
The Michigan Hand Outcomes Questionnaire (MHQ)
が流行っています。
これは、利き手、非利き手を別々に評価するためより詳細な評価が可能です。
以前にSARAHスタディーのことを投稿しています。
www.orthopaedicrheumatologist.com
このLANCET掲載の論文において使用されたのも、このMHQです。
しかしこれらはすべて、患者立脚型評価ですばらしいのですが、
20分近く評価時間がかかることが問題です。
もう少し簡便な方法はないのか?
このため、われわれではKapandji Indexを使用してきました。
5分以内で評価が可能なことと、非常に客観的です。
母指対立テスト
しかしこれを機能評価として使用していいのか、疑問が呈されてしまいました。
確かに、指を動かして届く範囲を見ているだけなので、
動作を評価しているわけではなく、正確には確かに機能評価ではありません。
ではどんな方法がいいのか?
先述のように、reviewerから「機能評価としては不適切」と
Kapandji Indexは烙印を押されてしまいました。
かわりに、
Jebsen Hand Function Testを
使用することを提案されました。
正直、私もこのテストを知りませんでした。
Rehab Measures - Jebsen Hand Function Test
両手で物を持ったり、どれだけ時間がかかるかを評価する方法のようです。
両手を別々に評価し、非常に客観的です。
ところが、この方法は30~40分かかるのです。
Not Practical !!! 使えん!
日本には同様のもので、脳卒中患者に多く使用されるSTEFというものがあります。
以前われわれも使ったことがあるのですが、時間がかかりすぎます。
というわけで、現在でもベストは何か困っています。
どなたかコメントいただければ幸いです。
読んでいただき、ありがとうございました。