最近、アルバイト先で悩まされる症例に出くわしました。
90歳女性、大腿骨頚部骨折術後(人工骨頭挿入術)で、現病歴に関節リウマチがあります。しかも独居で、旦那さんと住んでいた大事な家が離れなれない。
この方が、近医でリウマチ治療をされていたようです。
しかし、不幸にも自宅内でベッドサイドで転倒し、骨折を受傷されました。
で、自宅に帰れるのか?って相談です。
術者はいいですよね。
よくこういう状態で回復期に送られてきます。
手術して、あとは原疾患と生活考えないで送るだけですから。
本当にいいの??
整形外科の先生、そこをどう考えるかを持つことは、
メディカルスタッフからの信頼を大きく左右します。
身体所見的には、
両手関節・手指には関節腫脹があります。
元の主治医は、MTX4㎎を週に投与のみで、あとは何にも介入なしです。
そして、次第にサルコペニアwith RAが進行します。
当然転倒して骨折します。
90歳ですからね。
って、全く違います。
90歳にMTX単剤って、どんな治療やってんだ。
確かに糖尿病がありました。でも腎機能はそこそこです。
何を恐れたのか?
少なくても単剤で寛解狙いっていうのは、
20~60歳に対する治療戦略です!!
それがリハビリ入院ですって。
皆さんの治療戦略は?
現在の身体能力は、移乗動作は自立でトイレは見守りです。
短距離な見守りで、歩行器歩行は可能。
でも関節リウマチのコントロールは不明です。
おそらくTJC 4 SJC 6でしょうか?
採血結果はまだですが、CRP1前後でしょうか?
中疾患活動性が予想されます。
リハビリ・治療戦略は?
あくまでわたしなら、
可能ならMTXを他のDMARDsに代えて、
ケナコルト1/2A筋注して、ドーピング笑
してからリハビリに臨みます。
内科の先生のように、月単位で、薬物療法が奏功するのを待つ環境ではありません。
リハビリテーションは毎日の戦いです。
戦いは、持久力、瞬発力の勝負なので、
ステロイド使用は疾患による炎症反応とどう関連するのか?
が正確に把握していないと失敗します。
現在の知見では、
ステロイドによるタンパク同化↓
< 炎症によるタンパク同化↓
といわれているので、ステロイド筋注は、
EULAR recommendation 2016にのっとった、最適な治療法です。
いかがですか??