管理人です。
ひさびさにリウマチ治療の話を。
リウマチ手関節の評価法
リウマチにおいて、指の罹患は約80%以上ですが、
手関節の罹患もほぼ同程度で、必発の部位です。
複雑な手根骨構造のため、事実上10個くらいの関節の塊と考えてよく、
罹患率は高くなると考えるのが妥当でしょう。
罹患で、手根骨靭帯の弛緩と軟骨の破壊がおこります。
橈骨手根関節と手根中央関節の軟骨の減少
手根骨高の低下
靭帯の弛緩・手根骨の橈側回転
手根骨は尺側/掌側に落ち込んでいきます。
中には、手根骨同士または橈骨との骨性強直も起きます。
関節破壊は経時的に進行する
手根骨の移動は様々な結果を引き起こします。
橈側回転の時に手根骨は回内します。
そして、尺骨頭を背側へ跳ね上げます。
すなわちDRUJの脱臼を引き起こすのです。
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さらに外在筋のベクトルを変えてしまいます。
手関節レベルでは’橈側偏位’するので、
指における尺側偏位の原因となります。
あとは手根骨脱臼の予防と安定性の獲得
手根骨が掌側にすべるのは抑制機構がありません。
橈骨遠位端はもともと掌側に傾斜しています。
尺側にはTFCCがありますが、これまでの滑膜炎で普通は全滅です。
尺側には、尺骨頭による棚形成が必要となります。
尺骨頭の骨吸収が高度な例では、何らかの方法で手根骨の尺側移動を予防する必要があります。
有名な方法は、Sauve-Kapandji法です。
尺骨頭が吸収されている場合には、横置きSauve-Kapandji法、いわゆるmodified SK法です。
最近、指の手術をしていて思うこと
手関節の手術は以前から、
- 上記の関節形成型の手術を第一に行う派閥
- 月状骨固定つまり部分手関節固定派閥
に分けられていました。
SK法は手関節の可動域を最大限温存するため有利?
という意見が多かったです。
ところが、指の手術、とくにMP関節をさわる時、
外在筋のアライメントが悪くて、側副靭帯の機能が破綻していて、
安定性が得られない、または嘗背側の可動域が悪すぎて、MP関節が破綻する・・・
そういう症例を多数経験しました。
やはり手関節のアライメント矯正は、要のようです。
今後は、手関節を中心に考えていきたいと思います。
では、長文をご覧いただきありがとうございました。