リウマチ外科医の徒然草

より良く生きるための抜け穴探しのゆる~いブログ

リハビリテーションの評価にFIMが不要になるー新しいスケールBMSの紹介ー A new assessment tool, basic movement scale, drives out FIM assessment in the near future

リハビリテーションの世界において、

アメリカ主導で開発された

FIM: functional independence measure

は、絶対的な守護神といいますか、

逆にいつも片時も離れない小姑のような役割になっています。

 

回復期リハビリテーションどにいると、

毎日7点満点に振り回されている、追いかけられます。

If we are cocerning in rehabilitation units, we are always made into forced situation by FIM assessments everyday, every week and anytime. 

 

126点満点を目指した、

売り上げ目標といいますか、

FIM利得なるめんどくさいものを設定されて、

お役人様に評価されてしまう、いたってややこしい奴です。

Measurement of FIM gain per week would be a most stupid behavior for medical persons.

 

リハビリテーション総合実施計画書なんかも、

多くの場合、ICFとFIMで構成されています。

 

 

新しい論文がでました。A new tool from Japan!

しかも日本からです。

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

Basic Movement Scaleは、

病院でのベッド周りのADL動作のみで評価を行います。

ADLですが、動作能力評価に近いです。

BMS evaluates bed side ADL, but it's close to mobility evaluation. 

 

これまでのFIMがいちいち能力をADLに置き換えて、

訓練時間外の活動を評価する必要がありました。

FIM needs to spend extra time after training while therapists imagine their abilities in daily livings.

 

すなわち、PTやOTは自分の時間以外を使わないといけなかったのです。

Therefore, FIM could not exclude crucial weak points from its effectiveness. 

主観的なりすぎるという重大な欠点がありました。

 

しかし、BMSは訓練中の動作で評価を行うため、

時間は1分以内、客観的という点が利点です。

BMS needs only 1 min. for evaluation.

 

そして、グラフがすごいです。

なんとこの論文はFIMとBMSを毎週評価しているのです。

in this report, they reported FIM and BMS every week.

f:id:orthopaedicrheumatologist:20171011095434p:plain

 

所要時間はFIMで10分以内、BMSで1分~2分。

FIMには、 普段の生活を共にしないと評価できません。

BMSは動作だけです。

 

 

左のグラフを見てください。

FIMの動きとBMSの動きは見事にリンクしています。

 

ほとんどdelayはなく、評価そのままADLということになります。

It seems there is almost no delay FIM elevation after BMS elevation, so BMS evaltuation could be considered as directly the level of ADL.

 

 

評価表は日本語と英語と2バージョンあるようです。

 

ダウンロードは下記にリンクされていました。

日常生活活動(ADL)関連リサーチ | 京都府立医科大学 整形外科

 

 

セラピストとしては、FIMに慣れてしまえばそんなに時間はかかりません。

ただ、評価に時間ばかり使うというのは、

資源の無駄遣いです。

 

客観的に節約をするためにできたこの指標、リウマチにも使えるのでしょうか?

機会があれば、入院中にでも使ってみようかな?

 


 

 未来はどうなるのか?

ひょっとしたら、回復期リハビリの評価・ランク付けに用いられるのかもしれません。

脳梗塞などの疾患では、特にFIM利得を維持することが、点数算出に重視されています。しかし、多くの場合、更衣、入浴などが少し上がる程度で、これがリハビリの効果といっていいのかというと微妙です。

 

動作能力を、ほぼ正確に抽出可能なBMSはもしかすると、FIM利得の質を評価できてしますかもしれません。

 

もしDPCなどに組み込んだり、回復期に適応される時代が来たら、いまの高収益回復期リハビリはもたないかもしれませんね。

 

www.orthopaedicrheumatologist.com