日手会@名古屋を切り上げて帰宅の途上の管理人です。
リウマチ手の未来について、学会に参加していろいろ考えさせられました。
何よりも薬物療法が成熟しました。
先日の投稿の通り、EULAR recommendation 2016が改訂され、新しい患者層に関してはほとんどで抑えが効きます。
同僚のリウマチ内科とも話しましたが、整形外科は合併症を治療できないのに、途中まで診ておいてトラブルが起きたら紹介されるのは我慢ならないようです。
今後もこの論調は、より強まるでしょう。
むしろ、リウマチは内科の疾患ということが明確になると思われます。
Treat to Targetを厳格に順守する(先日Smolenはadhere to T2Tといいました)ことで、未来が開けるといっています。 確かにそうでしょう。
非リウマチ医でも診断がある程度可能になり、生物学的製剤もガチの人でなくても容易に使用できる時代になりました。
容易に使用できる薬剤の一つ
それでも依然として診断がきちんとつけられ、きちんと治療が行われている患者は70%です。
一方、リウマチの手足の治療がきちんと診断・治療できる医師は、整形外科のうちのおそらく5%以下です。
学会では、関節温存に関するセッションがありました。「どこまで関節温存ができるか?」と題されたセッションです。
関節温存には、内在筋腱の痙縮の程度、走行、矢状索のゆるみ、関節の脱臼の評価など、枚挙にいとまがないほどの病態像の理解が欠かせません。
ましてや、スワンネック変形やボタン穴変形の病態像を正確に理解している人間は、日本整形外科学会会員 約15000人のうち、100人に満たないでしょう。
今後リウマチ外科医はどんどん絶滅に向かいます。
高度の機能障害に対する治療を受けられる人は、人口の約0.5%とか、700,000人と言われるリウマチ患者さんのうち、どれれくらいになるでしょうか?