リウマチ外科医をしていると、しばしば遭遇する手術の絶対適応-
そう、腱断裂です。
一番多いのは、手の伸筋腱皮下断裂でしょうか?
この方の場合、中師から小指まで3本断裂していました。
整形外科のセオリーとして、尺骨頭の背側脱臼と関節包の損傷が県の断裂原因とされています。この方も高度な所見が術中に確認されました。
後輩の教育には、小指から1本ずつ順番に切れていくので、小指の断裂の段階で見つけて手術をすること、または切れる前に尺骨遠位の処置を行うよう、教えています。
早期の発見方法として、固有小指伸筋(EDM)の断裂を判定するEDMテストが有名で、リウマチ外科医以外への、特に内科のリウマチ医に普及が必要です。
しかし、本当に機械的刺激のみが原因なのでしょうか?
初診時に、初めから伸筋腱が4本とも断裂している方をしばしば見かけます。
また、下の方のように、伸筋腱と屈筋腱の両方が断裂する方も見かけます。
機械的刺激が原因なら、このように両方切れることはないはずです。
少し古い文献なのですが、MMPの働きについて調べている論文があります。
コラゲナーゼである、MMP-8の発現が異常に高い滑膜組織があるというのです。
invasive synovitisとされています。TypeIコラーゲンの変性を招き、断裂に至るといいます。
確かに腱が断裂部以外にも変性していて、さらに断端もややおかしいと感じる時がしばしばあるのです。
断裂修復後に、特に無理をしていないのに再断裂をきたす症例もあります。
いつもinterlacing sutureがそんなに簡単に切れるか??と思っていました。
この事実は、腱断裂症例における修復方法をさらにレベルアップするために必要な考え方を提供してくれているかもしれません。腱修復で糸をかけていい部分を判定する必要があるということですね!
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