管理人です。
しばらく雑談を載せていました。
今回は診療ガイドラインについて考えてみます。
この本は、欧米のtask forceが数年に一度、recommendationを発行しているのに対抗(?)して、日本における日本人のためのガイドラインとして、その時の有名な先生方が集まって作成されたものです。
ガイドラインの目次
今はもう2017年になってしまったので、EULAR recommendation 2016という最新が出た後だということを考えると、内容はやや古いと言わざるを得ません。
しかし、その当時の日本の動向が読み解けます。
全37の推奨のうち、
5つがMTX、csDMARDが6つ、NSAIDとステロイドが1つずつ、bDMARDが8つです。
それに対して、手術は10で、リハビリが3つです(うち1つは患者教育)。
手術に関してもうち2つは周術期の投薬のことで、実質は8です。
薬物療法 20 >> 残り3本の柱 11
ガイドラインの内容
外科医としては手術が気になります。
しかし、内容はTKA・THAが強い推奨 以外は内容を伴っていません。つまり他の関節の手術は有効とは言い切れないということです。
また、リハビリについても同様であり、有効であることはおそらく明確であるが、その内容は手術よりも多様性に富むため、
「行うよう推奨できる」
というレベルです。
どのような訓練が何に効くのか、どれほど効くのか、いつまでは効くのか
これらのエビデンスが欠損しています。
ではリウマチ外科医はどこへ向かうのか?
やはり関節機能の再建手術のエビデンスをQOLレベルではなくって、abilityレベルで示す必要があります。
内科の先生方には想像しにくい数字であっても、外科医には有効な指標となります。
次のガイドライン改定には、日本の雑誌、Modern Rheumatologyに大量に載せて、乗るようにしないといけないですね。