管理人です。
しばらく本業の話をできていませんでした。
今日は伸筋腱脱臼についてです。
以前に書きましたが、伸筋腱の障害を比較的診断しやすいのは、
整形外科医 >> リウマチ医
なものです。
リウマチで手は、変形や変性は緩徐に確実に進行しますので、もともと定期的な外来受診の時には、前兆がなく見逃されやすいです。
ヨーロッパ留学の際にも、オーストリアのリウマチ医は思いっきり見逃していました。(こっそりとでもわかるように声がけして、整形外科に紹介するようにしましたが、、、)
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日本でもほとんど見逃される
この伸筋腱脱臼は、多くの場合尺側偏位に合併します。
しかし上の写真でもわかるとおり、尺側した指の外観や、ボタン穴、スワンネックなどの有名変形が目を引くため、腱の病状については、あまり気にされることがないのが現状です。
写真の方も、通っていたリウマチ医に指が伸びないことを訴えてから1年間立ってたまたま私のところにたどり着きました。
また間が悪いことに、当科の初診医は画像上の変形がないことから、異常なしとして患者を帰らそうとしていました。
ではどうすれば見逃しにくいのか?
病態を考えればおのずと明らかになります。
MP関節の解剖図です。
伸筋腱はこのように傾いた床に矢状索で両側から引っ張られて安定化されています。
実はなだらかながら傾斜は橈側へ、尺側は崖なのです。
これが脱臼すると・・
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中手骨頭の屈曲/伸展の回転中心よりも、掌側に腱が落ち込んでしまうと、
中央策はMP関節の屈筋として働いてしまうのです。
もしも患者自身が、腱の脱臼を自己整復できるなら、自覚症状は引っかかり程度なのですが、腱の短縮が致命的なくらいになると、常時脱臼・整復不能になります。
その時の症状は指が伸びない!なのです。
その写真がこれです。
この画像を覚えておいてください!
二度と伸筋腱脱臼を見逃さないために。
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ちなみにそのころには、myogenic cotractureが進んでいることが多いです。
これは何かというと、腱脱臼によって、有効な筋収縮をできなくなるので、筋腹が線維化してしまって、収縮不能になることです。
平たく言うと、使わない時期が長くなると劣化して、傷むということです。
エアコンはむしろきっちり使った方が、長持ちするというのと同じですね。
さらに、内在筋腱の拘縮も高度です。
この症例も高度でした。
やっぱり見逃さないのが一番です。
リウマチ医と整形外科のコラボが最も進んでいるのが日本です。
日本では少なくても見逃さないようにしましょう!!
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