リウマチ外科医の徒然草

より良く生きるための抜け穴探しのゆる~いブログ

交錯する整形外科医と脊椎外科医とリウマチ医の未来 10年後はすでに吸収か もしくは独立か

今日は不確実な未来についての話です。

 

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以前にも書きましたが、リウマチ外科医はすでに絶滅危惧種です。

 

 

学会などに行きますと、整形外科医といは俺たちだといわんばかりの、

  • 股関節外科
  • 膝関節外科
  • 脊椎外科
  • スポーツ外科

・・・・・などなど

 

 

リウマチ外科のセッションなどは膝関節外科の約20分の1の大きさの部屋で、ひっそりと行われることが多いです。泣

 

 

マイナーな分野です。

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一方リウマチ内科は、

同じく整形外科でいえば膝関節外科というくらいの大きな部屋で、堂々といまだに生物学的製剤の使い分けとかそんなセッションをやっています。

もちろん基礎の分野の話もあり、多くの人が聞くべき話題です。しかし、こちらにおいても、リウマチ外科のセッションは第10会場とか、ほとんど小部屋において行われることが多いです。

 

 

さらにさらにリハビリテーション医学会においても、本年福岡で話をしましたが、まあ、結婚式の親族控室程度の部屋で、こじんまりとほとんど知った顔同士で話をする。。。。。。

 

 

どこへ行ってもリウマチ外科の領域はマイナーです。

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こんなにマイナーな扱いを受ける分野があるのか?っていうくらいです。

 

新潟リウマチセンターの先生方は、もはや逆に

「社会的に必要なマイナーだから、逆にわれわれの希少価値が上がる!!」と断言してはります。はい。

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一方脊椎外科は

逆の路線に進んでいます。

脊椎外科はどの関節外科とも異なるフィールドです。

スポーツ外科は、関節別のスペシャリティーと相互乗り入れする必要が必ずあるのですが、脊椎外科は脊椎外科のみなのです。

 

 

競合は、脳神経外科の脊椎チームと、接骨院でしょうか?

脳神経外科においては脊椎はマイナーなので、脊椎外科にとって脅威となる競合はあまりいない印象です。

 

 

ここ10年で、脊椎外科は超採算部門となりました。

 

  • 手術点数の高額化
  • 手術機械の向上による固定術の適応拡大

 

 

売上高の管理をしているとわかりますが、

多椎間固定の脊椎の手術のあるなしで、ひと月の売り上げの3%くらい変わることもあるくらいです。どこの病院も「切れる脊椎外科をくれ」と要望を出してきます。

 

 

むしろ、市場価値としては切れる脊椎外科医は2000万から3000マンの年俸で取引される商品にすらなっています。

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そう、脊椎外科医は高額商品なのです。

それが脳神経外科医が参入してきていることの理由の一つでもあります。

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むしろ、

脊椎外科医は、自分たちが苦労して得た利益を他の整形外科医に配分しているような気分にすらなるのではないでしょうか?

 

「自分たちの要望を通さないと、退職する」。そう言って病院と渡り合う脊椎外科医も出てきています。

手術件数のバックマージンや簿外給与をもらっている脊椎外科医も知っています。

また逆にIT技術と連動させ、世界中から呼ばれて講演に飛び回っている脊椎外科医もいます。所属の病院において、まともな勤務ができないくらい、病院外の行事が多い。。。。  それでも病院が文句を言えないのは、たまにいるときに手術する何件かのもので、あっという間に他の整形外科医が稼ぐ分を稼いでしまうからでしょうか?

 

 

まあまんとやら。

脊椎外科医は独立の機運を持つのではないでしょうか?

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対するリウマチ外科医の悲哀

 

一方本来であれば、リウマチ医療の携わるリウマチ外科医も10年前には時代の寵児であったはずです。生物学的製剤が登場して、猫も杓子も生物学的製剤を使えば、患者はよくなり、製薬会社には重宝される。使えば使うほど、売り上げが上がる。しかも外来レベルなので、自分の仕事量は、手術をするのに比べてそこまで大きくならない。。。

 

 

ところが、この時代の恩恵ははるかにリウマチ内科医が吸収していました。

 

外科医はその間もコツコツと手術を中心に、守りながら医療をしておりました。その結果、生物学的製剤や診断など、複雑化の末に、一般整形外科医からは専門領域として切り離されつつあります。

 

いや、普通に整形外科医としての診療をしてますよ。

スポーツ医らや膝関節外科医よりも、全身を見てますよ。

 

 

でも、資金の投入はあまりされず、より専門分野として切り離され、新人はリウマチ内科医に持っていかれ、、、、

 

 

そうならば独立する!

 

そう言いたいところです。笑

 

ですがことは容易に運びません。

新人の育成には整形外科的基礎素養が欠かせません。さらに内科的素養も必要です。リハビリテーション医の目線も必要です。

診療内容的には、超アドバンスドな領域なのです。

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独立はまたゆめなのでしょう。

それならば内科と合同でリウマチ科を立ち上げるというのも可能です。

ただその場合も人数によるバランスが保てない可能性があります。

欧米におけるリウマチを扱う整形外科医の立ち位置を考えてみますと、日本のリウマチ外科医は家庭医によりすぎているのです。そこが自分たちの足を引っ張るといいますか。問題点としては、やはり専門性と横断性ということになります。

 

 

もはや筆者は、他の専門家として生き直すには、経験を積み過ぎました。

せめて戻れないならば、この先の脊椎外科の未来とリウマチ外科医の未来の悲哀をしかも見守りたいと思います。

 

閑話休題