管理人です。
脊椎関節炎についての講演をきいたのでノートがわりに記載します。
耳学問というのは、講師の先生のレベルにはもちろん聞いただけでは上がれませんが、自分とのレベル差がかなりある時には、とても有効ですね。
その先生が100日くらいかけて勉強、資料を集めた内容を、一気に集めることができます。まあ、もちろん自分自身にそれを理解し読み解く知識と経験があって初めて、聞く内容を理解できる。
#脊椎関節炎#裏技#ニューモシスチス肺炎
#初心者不向き
勉強はとても大事です。
<広告>
膠原病とは何かという問いと、病因から見たスペクトラム
・自己炎症性疾患から自己免疫性疾患が混合した表現型がSpA(脊椎関節炎)
・自己炎症性疾患は広義には痛風とか、クローン病とか潰瘍性大腸炎とか、自己免疫疾患はRAとか、SLEとかを指すので、SpAはまさにその真ん中になる。
・HLA-B27は日本人は全くもって少なく、強直性脊椎炎(AS)は0.00065%の有病率。
・HLA-B27は遺伝子検査になるので、保険収載は現在のところされていない。
聞いた話では、遺伝子検査となるとカウンセリングが必要になり、、、とややこしくなる。なのに、難病指定や小児慢性特定疾患の申請用紙にはHLAの検査の記載項目があり、必須になっている。
厚生労働省はこの自己矛盾をどうするつもりなのか?現場では憤っている。
・SpAには感染が関与している?トリガーになる。
・CDとかクラミジアとか扁桃炎でも発症する。
・溶連菌感染後の脊椎関節炎は扁桃摘出が有効になる理由として合致する。
<広告>
専門医でも見分けのつかない鑑別疾患
・パルボウィルスB19による関節炎がある。
・保育士要注意で、本当にRAと見分けがつかない。
・しかもRFやANAが半数で陽性、RAと鑑別がつかないことがある。浮腫が強い。
・皮疹も一過性にできる。IgMができるので、感染後の免疫反応が原因?
・疑ったらIgM型パルボを保険で測れるようになった。
<広告>
SpAの分類
・SpAグループは、aSpAとpSpAにASASの基準でわける。
・椎間関節がASでは癒合するが、DISHではつかない。骨化は右に多い。理由は下降大動脈が左にあって、拍動があるところは骨化しないといわれているから、右だけになる。
・ASの骨密度は測ること自体が難しい。測ってもそれが強度を表しているのか?
・TNF阻害薬がバイオはいい。
・骨粗鬆の治療薬として、プラリアはRANKLが高いらしく有効だといわれるが報告なし、ロモスズマブも報告なし
ロモスズマブ(イベニティー)→ちょうど症例があるので、今度試そうかと。
・ASは椎体の角の骨びらんの発生から骨新生まで2年かかる。なので、2年前の炎症の結果が表れるので、RAのように迅速な治療効果の確認にはならない。
<広告>
・ 診断は仙腸関節ありきなので、MRIが多くの症例では診断にいる。non-radiographicを見つける。
・ただnon-radiographicalのは軽症でもあるので治療?
・同様にHLA-B27でないものは軽症?
・治療的にはTNF阻害薬は長いこと使わないといけない、なんせ2年で骨化するから
・骨化は実は両側の椎体側面に多い 前方の前縦靭帯ではないところがびっくり。
<広告>
aSpAとpSpAは別の疾患ともいえる
・疾患概念を理解し始めたころには、同じ疾患ととらえた方が覚えやすい
・PsoAとASの骨化の違い PsoAは横に飛び出しやすい
・PsoAのほうがもっとOAっぽい 炎症は付着部炎とdeep kebnel現象
炎症→PG→血管拡張→炎症細胞→IL-23→IL-17→間葉系細胞→骨化
・NSAIDが有効なのはPGを下げる?これは未確定ながら真実そう
・PsAは寛解でも病理的には炎症細胞浸潤が残っていて、薬をやめにくい原因ではないかと思われる。
・掌蹠膿疱症とSAPHOではビオチン使用も有効
・扁桃摘出の効果がある アクネ菌蛋白が骨内から検出されることもある?
これらのことを考えると、冒頭の通り自己炎症的な部分も含む
これらのことを考えると、感染の部分、自己炎症的な部分、表現型が多様。
自然免疫系←→獲得免疫系
まさにこの言葉に尽きる。
<広告>
自分の日常診療にすぐつかえるのは、
・アザルフィジンの用量増量
・アラバの少量使用の検討
・ビオチンを人により追加
これを持って帰ります。
それと、アザルフィジンにニューモシスチス肺炎の予防効果がある!!とのこと。
これもあるの診療から即変更点になります。
ですがこれらはエキスパート間の意見交換の内容ですので、普段診療慣れていない方はここだけマネしないようにお願いします。