年次が上がるにつれ、目の前の仕事の煩雑さと、自分のやってきた道を進むのが一番楽なので、思わいもよらず同じところを惰性で進んでしまいがちです。
そんな自分を戒めるがごとく、最近は先年のEULAR本会に発表および参加しました。それに伴って、毎号Annals of Rheumatic Diseases(ARD: IF12.350)が自宅に送られてくるようになりました。
普段の日本の学会の学会誌は、ただただ送り付けられてくるばかりで、
自分から目を通すことはない。
つまり、文献が必要になって、検索してHitした場合などの、
もっと丸く言うと、”自分が必要としたときにしか開けない”雑誌ばかりでした。
実際、日本の雑誌は偉い先生がレビューしているとか(どこかに書いていることをまとめただけ)のことが多く、私の分野では本当に先端的なことが書いてあって役に立つのは日整会誌の教育講演のみでした。
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というか、
>他分野のことがサマリーにされているから、効率よく勉強できる<
という意味以外はなかったです。
その理由として、現在ほとんどの発表者が、自分の分野の最新のことは、その分野の学会(たとえば先にJOAKAS)でしゃべってから、演題を磨きなおして、完成形として日整会に出す。
その結果、日本の最高権威学会である日整会の方が、
時代より遅れた演題で満ち溢れている。
当然ながら、その学会誌に乗っている内容は・・・・いわずもがな。
まるくいうと、日本雑誌は最先端より10年”方針”の部分で遅れていて、さらに方針を示すというよりも業績重視なので、読み手には面白くない。
ただ既成事実になったことをまとめただけです。
ところが、この英文のARDは実際に読みだすと違うのです。われわれにとっては、つまり日本の学会が完全に遅れを取っていることをトピックとして最前面に出しています。
われわれのフィールドをどの方向に進めていくのかという、明確な意思が雑誌に現れています。
海外雑誌のトップは、未来を書いてあるのです。
もっと若い時から目を通しておけばよかった。。。。。。
さてようやく本題のRecommendationです
これはリウマチだけでなく、OAの患者さんにも対象を向けて作られいます。
iA: RA+SpA
OA: まさにOA
として、載せています。
- 18-65歳の人は、最低でも週に5回30分以上の有酸素運動が必要 または週3回の20分以上の強い運動が必要
- 筋力と筋持久力(筋フィットネスといいます)維持または増強に週に最低2回の抵抗運動が必要
- 運動はdose-dependantであるため、これ以上の条件での運動と能力向上が望ましい
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ベースにACSMの運動処方の指針に沿っていることを、元データ論文の収集に条件づけています。
これに関しては、EULARの英断かもしれません。Dicussionにも述べられていますが、実際にはリハビリを行うにあたり、この基準を無視して進むことはできないからです。
日本なら独自の。。。。っていってまた5年遅れるところです。
しかし私見ですが、今回の
10項目のRwcommendationは骨抜きのように見えます。
表を転載できないのが残念ですが、
われわれが一番知りたい、
関節のダメージを負う患者にどうすべきなのか?
については、ケアすべきというふわっとしたStatementで終わっています。
目標については個人ごとに設定すべし、定期的に評価を行うべき。。。
「今でも苦労して設定しているよ。。。。」という声が聞こえてきそうです。
そんな感じです。
一番エビデンスレベルが高いのが、
”行動変容につながるように頑張って指導”しましょう。(笑)
最先端。。。
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今後のリサーチクエスチョン
同時にここを見て、ちょっと安心もしました。
われわれ現場の本音の内容は、やっぱり明らかになっていなくて。
そこをこれから明らかにしていきたいと。
EULARは”わからないこと”を”わかる”とは言わない組織です。
Reasech AgendaとEducation Agendaは読みにくいようにこっそり載せておきます。
これからどうしていかないといけないのかが重要
今後のEULAR congressでは毎回PAのセッションを開催するそうです。
バイオの次の時代はここですね。
リウマチ医はRecomenndationはともかくとして、運動処方と生理学に精通しないと生きていけなくなりそうです。
では。
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