リウマチ外科医の徒然草

より良く生きるための抜け穴探しのゆる~いブログ

専門医という資格は誰のためのものなのか? ひと回りしたら無用の長物と感じた

管理人です。

 

ようやくですが、すったもんだの末に

日本専門医機構認定の「リハビリテーション専門医」の更新手続きが終わり、認定証が送付されてきました。

 

 

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各認定学会の理事長と専門医機構の理事長の連名で発行されています。

いったい誰が責任者なのでしょうか?

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昔は専門医の称号は自分のマイルストーンだと思っていた

 

まだ自分では若手だと思っていますが、実際にはそろそろおっさんになってきています。新しい専攻医にお小言を言っている自分をもしも客観視できるとしたら、おそらく完全なおっっさん上司でしょうね。

 

 

医師は誰もが感じるところだと思いますが、

若い時には、経験もない、自信もない、技術もない。それを虚勢を張って、最前線で医療を行います。

 

だから、多くの若手医師は、本当は恐怖心と戦いながら診察にあたっているわけです。そんな自分を箔付けしてくれるもの

私にとっての専門医は虚勢を張るための道具でした。

 

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逆に患者さん方から自分がどう見られているかを想像すると、明確にわかります。

 

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患者さんの立場からすると、当然ですが。

 

 

間違えることなく、痛いことをせず、パパっと診断して、完璧に迅速に症状と取ってくれる医者がいいんです。

 

 

 

私も仕事なのか、友人や知り合いから頻繁にメールやLINEが入ります。

 

「けがをしたんだけど、南部でいい医者知らない?」

こんなのがしょっちゅうです。

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 評判のいい医者にかかったら、まあ大丈夫だろうと。

 

 

今でもたまに言われます。

「先生は何年目でしょうか?」

「先生が手術をされるのでしょうか?」

 

 

 

 それに効く特効薬 = 専門医の称号  

だったのです。

 

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専門医はとるだけならば難しくないし、持っているから実力のある医者とは言えない

 

小生は自分の成長のマイルストーンのように、関連の専門医を多数取得してきました。

 

 

でも、こんなことに気が付くようになってきました。

 

専門医を持っているからって実力とは全く無縁なんです。

 

だって、専門医試験は、講義を聞いた回数と、資格試験を通ればもらえるんですから。

実力とは無縁に決まります。

 

 

選抜試験ではなく、資格試験。つまり通るようにやっているのです。

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大学受験なら、受験者の中の勝者が選ばれます。

専門医試験は、大体90%前後が通るように合否が出ます。

 

 

どちらのレベルが高いか、だれでもわかりますよね。

 

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また、専門医資格というのの裏側にも気が付くようになりました。

 

単位申請、専門医申請料、更新料などが学会の収入の大部分を占める。

 

学会は専門をもっと認定して、運営資金を獲得したいのが本音です。

退任したとある教授の行動から知ることができました。

 

 

 

むしろ、学会はお金を稼ぐために、どんどん講習会をして、どんどん認定してお金を稼ぎたいのです。

 

これに目を付けたのが専門医機構です。

国のお墨付きをもらっておいて、

各学会に認定に係る雑務をすべて丸投げし、事務的なことなど自分たちはせずにピンハネすることを思いつきます。

 

 

認定料は、専門医機構に入る。認定は自分たちでするから。

認定の雑務は学会がする。機構は詳細何もわからないから。

権限の問題です。役所らしいですね笑

 

 

お題目としては、

「学会に任せておくと、地方の専門医偏在を解消できないから、国の管轄にして、強制的に地方に配置をするために新専門医制度は作られた。」

 

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話がそれました。

 

 

 

小生は結局、専門医資格を4つ取り、どれも指導医になったため、5年ごとの更新は息つく暇がないほど頻繁にやってきて、お金が出ていきます。。。

 

 

でも、専門医を持っているからといって、決して最先端のレベルで治療ができるわけはない。

一番初めに挙げたリハビリテーション専門医でも、脳卒中などの細かいことはさすがにわかりません。試験をパスしたにすぎません。

 

私は自分よりはるかに上のレベルの人間が多数いることを知っているし、簡単な症例では治療できても、複雑な症例では手に負えないのが現状です。

 

 

 

 

あえて言います。

 

 

専門医を持っていることは、「風邪などのありふれた病気をある程度間違わずできる」ということを意味するだけなのです。

 

 

何のために専門医を取ってきたのか?

報酬もなく、維持するメリットがない。。。そう思うようになりました。

 

 

専門医という資格は、患者さんのためにも、取得する医師のためにもならない無用の長物であると断言できます。

 

 

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厚生労働省はさらに余計なこともやってます

 

 

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 >医療法の改正により、ホームページなどは「広告その他の表示」として扱われることとなり、機構専門医としての表示は院内表示、名刺に限られることとなりますので・・・・

 

 

ん??

 

 

 

 

専門医の称号は、「○○美容外科」や電車・バスのクリニックの広告と同じ

客集めの道具として認識されているのです。

 

 

 

また、昨今の働き方改革を逆手に取り、厚生労働省は各都道府県の若手の入門数を制限することとしました。(シーリングという名前で現場では知られています)

 

 

 

地方部に医療関連職を強制配置するために、都市部の門戸を狭める。

私の県では15名で頭打ちになることとなりました。

 

1年で15名しか、整形外科の新たな専門家を増やすことはできない。

 

 

 

専門医を持つことには意味は全くないのに、それを人質にして、新たに未来を夢見ながら研修を開始する若い人たちの働く場所を、田舎に移すことを強制する。

 

 

強制労働。・・・・*1

 

 

やっぱりあほらしいです。。。専門医は無用の長物。まちがいない

 

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*1:+_+