リウマチ外科医の徒然草

より良く生きるための抜け穴探しのゆる~いブログ

コロナ抗体検査を受けてみた。 もし陽性だったらうれしいのか悲しいのか?

管理人です。

 

表題の通り、縁あって職場でのコロナ抗体の検査を受けることができました。

 

結果はまだなのですが、今回の臨床疫学研究として行われた職員に対する抗体検査が、臨床上、管理上どのような意味があるのかを考えてみました。

 

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説明文書に気になる言葉が

 

はじめは、抗体検査を受けられると知って喜んだのですが、説明文書に気になる個所を見つけました。

 

「高濃度陽性の場合、ご自身で産業医に連絡を取ってください」

 

なぜ産業医なのか?

現在の感染や既感染を意味する、、、臨床というよりは管理上の問題のようです。

 

抗体検査について調べてみました。

 

 

 

 

最近は自宅でも抗体検査が受けられる

 

www.gme.co.jp

 

 

開業の先生や、不特定多数の人と接する職業の方は、自分で購入してされている方も多いという話も聞きます。

知り合いの内科の先生は、自分を含めてスタッフ全員の抗体検査を経費で行ったと聞きます。

また、プロ野球は開幕前に抗体検査をして、巨人の坂本選手と他1名に後日PCR陽性が出たことで大騒ぎになったのも最近です。

 

費用は、15000円前後が多いようです。

 

この検査の意義とどんな人が受ける必要があるのでしょうか?

 

 

 

抗体検査は抗体の有無なので、抗原の有無とは違うし抗体が完ぺきではない

 

当然ですが、現在進行形の感染を示すものではありません。

 

「他の人に移しうる」のかどうかは、抗原を持っているのかどうかを調べないといけません。通常はPCRなどで、RNAを増幅して調べることになります。

 

抗体検査は、自分がコロナに反抗した痕をみるもので、IgGとIgMを図ります。

 

・IgM値が陽性だった場合、まだ体内にウイルスがいる可能性があり、他社への伝播をを防ぐ対策が必要になる。


・IgG値が陽性だった場合、陰性の人もよりも、今後コロナに罹患しにくい可能性ある

 

 

 

すなわち、今後の疫学検査を経て確認されることになりますが、

現時点で世界中で最も効果がある可能性が高い武器を体内に保有することになります。

 

もちろん過去に重症化のリスクを抱えて乗り切ったことを意味しますが

 

 

 

じゃあなぜ産業医なのか?

 

産業医の役割を探してみました。

 

>産業医科大学HPより

 

1 職場巡視
産業医は、毎月1回以上、職場を巡視することが求められています。労働者の実際に働く状況を理解することは産業医として適切なアドバイスを行うための基本であり、また労働者の健康を保持するために改善が必要な環境や作業があれば、その指導を行います

 

2 作業環境による健康リスクの評価と改善
化学物質等の有害性に関する情報と、実際の作業環境や労働者の曝露の状況を総合的に判断し、健康障害が発生するリスクを評価します。リスクが高いと判断された場合には、事業者に対して、指導や勧告を行います

 

3 健康教育・労働衛生教育
職場で実施する集団教育は、有害物質や有害エネルギーによる健康障害の防止から生活習慣の改善に関するものまであり、産業医は幅広いテーマに対応する必要があります。その中でも最近の企業の状況を反映して、メンタルヘルス教育の実施機会が増えています。

 

4 衛生委員会への参加
労働者の健康に関する事項を審議する場として各事業場に衛生委員会が設置されることになっています。産業医は衛生委員会の正式なメンバーとして、労働者の健康を保持するための個別的な事項の検討だけでなく、職場の安全衛生体制の構築にも参画します。

 

5 健康診断と事後措置
すべての労働者は、毎年1回以上の健康診断を受診することになっていますが、当然のことながら健康診断を実施するだけでは健康状態は改善しません。結果に基づき、生活習慣の改善の指導を行ったり、健康状態によっては本人と職場に対して働き方の改善を助言します。

 

 

 

私は、コロナ感染症COVID-19感染症受け入れ施設の一般職員ですので、直接診療機会はありませんでしたが、不特定多数の疑い症例を受け入れている環境なので、環境要因は、一般の方よりリスクは高いです。

 

 

また職員によっては、コロナ専門部署で働いているものいます。

今回の疫学検査は、専門部署は全員必須、残薬で一般職員から募集という形でした。

 

すなわち、労働環境の管理という産業医の職務に関連するマターのようです。

 

 

職員からのコロナ陽性者は出ていない当院ですが、実際のところ専門部署で感染が生じているのかという疑問はあります。

 

しかしこれは臨床上の問題で、産業医、つまり労務管理上は課題なるリスクを医療者に課したことが認識されているということです。

これでもし多数の陽性者が出れば、完全なるプレコーションと陰圧管理で行っても、従事した医療者はかなりのリスクを負うということになります。

 

関東圏の医療者の負担は、すでに限界と内内で伝わっていますし、待遇の悪化などで離職者が相次いでいて、現場はすでに戦時と聞いています。

 

 

結果説明は、研究者のマターではなく管理上のマターである。

理解できました。で、この結果を国にもっていって、対応改善を求める。

 

 

 

 

 

個人にとっては?

 

個人にとっては、先ほど言ったように隠れた武器になるので、現時点では最強です。

予防接種による抗体産生量 < 実感染による抗体産生量

 

なのは誰もが知っていると思います。

インフルエンザは、同じシーズンに一度かかると、同じ型はもうかからないことが多い。家族に移して治った人は、自分は抗体を持っているので、家族から再び戻ってかからない。  それと同じです。

 

悲しいのは、抗原検査を求められるかもということですね。

結果が出るまで自宅待機?

言われるかもしれません。

 

では。