海外で暮らしたことがあるならば、実感することなのだが。
正直、日本の物価は安い。
その割に品物の質は意外といい。
何が悪いの?と思う人も少なくないであろうが、問題大有りである。
いち消費者として、自分が品物を購入するという立場からすると、そりゃ安い方がよい。しかし、マクロ的には企業の利潤が減るということを意味するので、すべての勤労者の給与を押し下げることになる。
固い言い方でした。
わかりやすく言うと、
日本は自分達勤労者の給料を減らしてまで、物価を下げてきたのです。
一時期、ヨーロッパに住んでいました。
安いのはビールやワインくらいで、日常生活用品はすべて、日本より高額です。
100円均一ショップは、日本が一番安いです。
医師の給料も20年以上上がっていません
実は、高給取りのイメージの医師であっても同じです。
私は研修医を除いて、最も収入が高かったのは卒後4年目の時です。
年々給与は下がり続け、今の大学病院という場所は最悪です。
病院において、特殊技能を提供することに対して、1円の給与ももらっていません。
扱いは、大学教員で、教育職の給与です。
いろいろなブログ主さんが、
「大学医局における出世レースという無理ゲー」
と評している実情を生み出しているのは、この給与体系です。
やりがいや名誉?と引き換えに、給与安く医師を買い叩く。それが大学病院です。
優秀な人ほど擦り切れて、早々に大学病院から去っていきます。
一部の本当に献身的な先生はいますが、
多くの場合、大学病院で偉くなる人は、医療技術以外に多くの時間を割いて、政争を好む、どちらかというと変わった人ばかりです。
私の上司もそういう人で、若手を使いつぶします。
大学のような過酷な場所における唯一の希望が、給与なんですが、
それが抑えらえているため、環境を悪化させます。
私の給与も、繰り返しますが、年々減っています。
日本は実体経済との乖離に耐え切れまい
これまで言ってきたとおり、日本人の給与は、20年来削られ続けてきました。給与が上がらず、税収が増えないため、税金がもう耐えきれないくらい上がっています。
もらう給料と、引かれる税金の間の幅が、狭くなり、なりきっています。
生活の困窮はここまで来ています。しかし税収が足りないから、まだ税金を上げるつもりらしいです。そしてこのコロナ給付金で、納付される予定の税金などを原資として、お金を摺りまくっています。
すなわち、公的な借金(国債や日銀のETF購入、給付金の発行)が膨らんで、もう自分の手残りがなくなろうとしているんです。
我慢をすればするほど、自分たちの給与体系を崩すので、我慢は毒なんです。
どこの国も、超緩和金融政策で、お金を摺りまくっていますが、
海外の国は、これまでのダメージがまだ少ないんです。
日本はバブル崩壊以後0成長でした。
公的借金の膨張に耐え切れなくなるのは、日本か海外のどっちが先か、考えなくてもわかりますよね。
具体的にはどうすることができるのか考えてみた
最も早いのは、菅総理を退任させることです。
そして日銀も退任させる。
それは別にして、個人レベルとしてはどうするか。
コロナのコントロールを個人ではできませんし、給付金等は政治で決まっていくので、自身ではどうしようもありません。
自分も給付金をもらいますが、他の方ももらいます。
日本にいてもいなくても、日本をベースにしている限り回避不能です。
海外とのベース差を自分のポートフォリオ内で作っておくというのが、最も有効な気がします。現在のバブル崩壊のタイミングは誰にもわかりませんが、日本の方がダメージがでかいことだけは確かな気がします。
すなわち、日本資産が割安かどうかというのは、現在において諸説あり、各解説者によってバラバラなので、正しいかどうかわかりません。
しかし今後、今の水準から、日本資産が安くなるのは確実ではないかなと思っています。米国も、沸騰しており危険だという人もいますが、米国が吹き飛んだら、日本も吹き飛びます。日本が吹き飛んでも、米国は中等症で済みそうです。
今のところですが、日本より強い国の資産に移動する、もしくは全世界資産に移動する。そのあたりが緩和策なのではないでしょうか?
では。