リウマチ外科医の徒然草

より良く生きるための抜け穴探しのゆる~いブログ

スワンソン術後における伸展力不足の問題

管理人です。

ここ数か月で、軽度から高度まで幅広い尺側偏位+スワンネック変形

に対するスワンソンインプラントを用いた関節形成術を結構やりました。

 

その術後で、固有指のPIP関節の伸展が思うようにコントロールできない症例に最近は悩まされています。

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ご存知の通り、スワンソンインプラントは、ただのシリコンのインサーターです。

関節運動は、生理的ではなく、このシリコンたわみで行っています。

 

筋や腱の短縮に対応するため、十分な骨の切除を行い、

短くなった腱に合わせて、関節レベルを下げるという手技です。

尺側の内在筋腱は、通常切離します。

 

というよりも、切離しないとほとんどMPJの脱臼が戻りません。

 

このため、致し方ないのですが、terminal tendonへ向かう、

伸展力を犠牲にして、半減させていることになります。

橈側の内在筋腱のみの力によって指を伸展させる

のが術後の手です。

 

ところが、やはり術後にPIPJの伸展が-25度くらい、特に中指に多いです。

伸展不良を認めます。

 

長期間のRAの罹患により、内在筋腱そのもののダメージが色濃いのでしょう?

十分な伸展力を得られないのです。

 

中指では、停止部が一番遠いからでしょうか?

他の指に比べてダメージが大きい気がします。

術後の筋力トレーニングはこれを改善することができるのでしょうか?

注意深く観察を続けます。

 

 

明石のタコ釣り 上向いてきました

管理人です。

前回、まだ渋かった明石のタコのリベンジに行ってきました。

 

いつもと違い、西宮浜からの長距離船に乗りました。

初めの場所は、正確な位置はわかりませんが、

おそらく神戸7防の内側で潮に流して約400mほど船を流しました。

 

型の小さいものも交じりますが、

1㎏越えのものも結構混じります。

しっかり誘えば、全投かかる感じでした。

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しかし、ここは根が荒いのでしょう、2投に一度はねがかります。

仕掛けがあっという間に3セットなくなりました。

ここに行くときは、テンヤの形や、値段、底どりなどしっかり戦略が必要です。

 

そのあとはいつも通り、北淡の沖合に移動しました。

 

こちらでは時間の問題もあるのか、渋く散発的にかかる感じでした。

しかし、比較的おいしい数百グラムのサイズを中心に、

根がかりなくできることは精神衛生上いいです。

 

結果としてつ抜けとまではいきませんでしたが、ある程度持って帰りました。

これからはしばらく、タコ尽くしです。

 

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鮒寿司とワインのマリアージュは可能なのか?

ワインを愛好するものにとって、

料理とのマリアージュというのは永遠の憧れです。

 

マリアージュとは?

大まかにワインと料理との相性をいいます。

相性のいい関係を結婚にたとえて「マリアージュ」といいます。

 

よく知られているのが、

魚料理には白、肉料理には赤 というものがあります。

実際にはそうとは限りませんが。

相性の悪い組み合わせもある

結婚にたとえられているくらいで、どうやっても合わない二人を、

お付き合いに発展させるような大変があります。

 

よくあるのが、魚卵と白ワインです。

魚卵の塩っけでワインの香りが飛び、むしろ生臭さを助長します。

最悪の組み合わせと自負してきました。

 

鮒寿司に挑むオーベルジュが

滋賀県の名産の鮒ずしは、子持ちの鮒のおなかにもち米を詰め、発行させて作る伝統のお寿司です。 いや、寿司というよりは発酵したアミノ酸の塊です。

 

はっきり言って、この臭気はくさや並です。

これをワインと合わそうというのです。

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鮒ずしはあまりに味が濃いため、凍ったままスライスして食べます。

 

普通はここで味の濃い目の日本酒と合わせるところです。

 

このオーベルジュでは、サワークリームの上に、デザートワインのジュレを敷き詰め、内部に鮒ずしがチョンと乗っています。

 

マリアージュでは・・

ワインは、酸味、甘味、渋み、うま味、果実味などが混在し、香りの成分もさまざまです。ワインと料理、お互いを引き立て合うバランスを重視し、酸味が特徴のワインには酸味のある料理、濃い重めのワインには、料理も濃厚な味のものを合わせるのが基本です。

 

引き立てあうバランスのためには、各パーツの分量が肝要です。

多めのジュレを付けて、写真の還元臭の強いビオを合わせました。

 

そうすると、鮒ずしの生臭さと乳酸っぽさを消してくれるのです。

 

ためしに、リースリングを合わせてみました。

ほぼ脂肪です。 吐きたいくらいの臭気です。

 

ただ惜しむらくは、マリアージュというよりもデザートワインが勝ってしまった気がすることです。

それでも、魚卵系に一矢報いたことがうれしくて仕方がりません。

 

 

 

 

 

 

 

 

尺側偏位はなぜ、足では起きないのか??

管理人です。

最近はリウマチ足にも手を出しています。

 

 足においても、高度なリウマチ性病変は健在です。

 たとえば、こんな足・・・

 

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むしろ内側に偏位していますよね?

加えてすごい外反母趾。

 

足と手では表現型にすごい違いです。

なにが違うのか?

 尺側偏位では、主に次の原因があげられています(細かいのは省きます)

  • MCP関節の構造的に尺側傾斜
  • ものを持つときの力が尺側をむく
  • 尺側の内在筋の緊張
  • 第4,5CM関節の沈下
  • 伸筋腱の尺側脱臼

このなかで足にもあるのは、どれでしょうか?

 手との対比

解剖構造に関しては、多少調べたくらいではわかりませんでした。

足の外科専門医に直接聞いてみようと思います。(後日更新予定)

 

ものを持つというのは、足では荷重応答でしょうか?

踏み返しの時には、PTTによって、後足部は内反にロックされているので、屈曲力は内側を向くような気がします。したがって外側にはいかないように思います。

 

内在筋腱については、手術の際に、内外側とも変わらないように思います。

そもそも、手では中指が中心に内在筋腱が配置されているのに対し、足では第2趾を中心に配置されています。蹠側骨間筋と虫様筋が第2趾で特殊な配列?も聞いた事がありません。

 

CM関節は、足でも同じように思います。手ではアーチが高度になりますが、足では逆にアーチが平坦化する方向に働きます。ベクトルはより地面に垂直方法に近づきます。

 

伸筋腱の尺側脱臼については、よくわかりません。伸筋腱は、足では屈筋が果たすとしてよいのでしょうか?MTP関節は手とは異なり、背側に脱臼します。

したがって、通常の伸筋腱は位置を変えることなく短縮します。

事実として手術中、関節包より明らかに背側にテント状に走行する長・短趾伸筋腱を認め、真っ先に処置します。

 

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現時点においてわかっていること

明らかな答えが出せませんが、母趾が他の指に対して対向していない点も含めて、手とは解剖学的に異なる点が多いです。

しかしながら、共通点も非常に多いところでもあります。

 

歴史的に、手の外科・足の外科が別々に発展してきましたが、知識を融合してさらなる発展をさせるため、研鑽を継続する必要がありそうです。

 

Why the ulnar drift with rheumatoid arthritis is never seen in rheumatoid foot??

The factors influencing pathological chages seem to differ between hand and foot.