リウマチ外科医の徒然草

より良く生きるための抜け穴探しのゆる~いブログ

組織という安定と窮屈さ

リウマチ医は開業しても可能ですが、

リウマチ外科医は勤務医でないとできません。

なによりチーム医療が重要だからです。

先日、ご紹介させていただいた村澤先生の本にも書いてあります。

 

 

関節リウマチのトータルマネジメント

関節リウマチのトータルマネジメント

  • 作者: 公益財団法人日本リウマチ財団,日本リウマチ財団リウマチのケア研究委員会,RAトータルマネジメント研究会
  • 出版社/メーカー: 医歯薬出版
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ところが、勤務医の組織の中での不自由さは半端ない。

 

先日、マスコミ関係から出版会社に転職、昨年からついにフリーランスの記者になって、仕事をはじめた元バイト仲間に会う機会がありました。

 

「いや、ほんと自由になりました。 雇われ時代のあのストレスは何だったんでしょうね? 先生、本当によくやってますよね~ 開業しないんですか?」

 

心からうらやましく思います。

ガンダムUCのなかで、ダグザ・マックールは、バナージ・リンクスに言いました。

「自分で自分を決められるたった一つの部品だ。無くすなよ」

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仮に大樹のもとで安定な状態であっても、自分が自分であることを忘れてはいけない。

 

フリーランスへの羨望とともに、勤務医としての矜持を考えたひと時でした。

 

#勤務医#フリーランス#ダグザ・マックール#ガンダムUC

ボタン穴変形も手強い

関節リウマチの指変形で有名なものに、スワンネック変形やボタン穴変形といわれる変形があります。

 

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これらは標準整形外科学 第13版にも記載されている、いわゆる試験に出る用語です。

今日は少し専門的なことを書きます。

 

標準整形外科学 第13版 (Standard textbook)

標準整形外科学 第13版 (Standard textbook)

 

 

 

スワンネック変形は、典型的には指のPIP関節が過伸展して、代償的にDIP関節が屈曲します。 正式な用語では、白鳥の首変形といいます。

 

反対に、PIP関節が屈曲し、代償性のDIP関節過伸展を生じる変形がボタン穴変形です。

人によってはボタンホール変形ともいいます。

 

ボタン穴変形はPIP関節の背側の滑膜炎を原因とします。滑膜炎による伸筋腱中央策の脆弱化と緊張の低下、側索間の連結する繊維の弛緩による側索のPIP関節回転中心より掌側への落ち込みがおきます。

 

すなわち、PIP関節の伸筋である側索が、PIP関節の掌側の落ち込むことで屈筋として働いてしまい、PIP関節の伸展ができなくなるのです。

 

 

まだ、側索はPIP関節のポジションによって、もともと背側から掌側に位置を変えるものです。なので、この時点では変形は可逆的です。

Nalebuffさんはボタン穴変形の分類を発表されており、ここあたりがstage1~2の間くらいになるでしょうか。

 

ここから側索の短縮がおきると一気に状況は悪化をきたします。

側索の短縮により、PIP関節の背側に再配置することができなくなります。

この時点で装具療法を始めても側索が戻りませんので、むしろゆるむばかりで悪化を助長します。

また、スワンネック変形では側索のストレッチ訓練が可能なのですが、ボタン穴変形では、かえってそれも変形を助長します。

 

 

ボタン穴変形は当初は機能障害が軽いのですが、悪化するとたちまち手が付けられなくなります。

何かいい方法はないでしょうか?

 

#リウマチ#ボタン穴変形#スワンネック変形#側索#PIP関節#装具治療

低金利の影響はじわじわ出血と同じ?!

今日は投資の話を。

 

2017年3月現在 日本は 史上まれにみるマイナス金利を断行しています。

 

普通預金金利は、0.001%、定期預金でも軒並み0.02%くらいが多い!

 

私が小学生のころ、郵便局の子供貯金というのがありました。月々500円を毎月積み立てていると、小学4年生ころだったと記憶してますが、目に見えて預けるたびに数字が大きくなった記憶があります。

 

あの頃は、バブル真っ最中だったでしょうか? 

お金はほっといても増えるものという世の中でした。

 

われわれの親世代は多くがこれを経験しているため、郵便局の還付型の簡易保険や、各社の積み立て型生命保険など、

お金を他人預けると増えるという感覚をいまだに持っています。

 

lify.jp

 急に郵便局から携帯に電話がかかってきて、「親が私の名前で保険に入りたがっているので、決裁していいか?」と聞かれたこともありました。

 

親は昔の感覚で貯金?のつもりかも知れませんが、現在の利率と20年後?の還付金、インフレ率(目標2%実効1%くらい?)を考えると、半分も返ってこない?気がします。

 

得られるメリットは、死亡保障と少額の医療保険くらいで、

これらは別に掛け捨てで入っていることが多い…ため、死ぬまで下せません笑

 

これらはすべて搾取契約と私は考えています。

これは大手生命保険会社であっても間違えなく言えます。

 

よくあるタイプでは、はじめ15年で払い込みで払い込みを終えます。

そして15年後にようやく、払い込んだ額面と同等の返戻金を期待できる。となっています。

 

仮に毎月10万円を入金しているとしましょう。

初年度の払い込んだ10万円はそのまま、インフレ率が1%としましょう。

年間120万円を積み立てます。初年度は120に1.01を15回かけることになります。

 

121.2+122.4+123.6+124.9+126.1+127.4+128.7+129.9+131.2+132.6+133.9+135.2+136.6+137.9+139.3 = 1950.9 (15年分インフレ率期待込) 単位万円

15年で払込額同等額は 120×15=1800  1800/1950.9=0.9227

 

つまり15年間で92.3%に減ったのです!

 

知ることがつらい真実ですね。

この点を営業マンは決して説明することはありません。

営利商売ですから。

 

すでに契約済みの人はどうしたらいいのでしょうか?

この契約はじわじわ出血しているのと同じです。

体力があるうちに、傷が浅いうちに治療することをお勧めします。

 

 

金利はこんなところにまで影響します。

早く景気が回復したらいいですね。

 

では。

 

#マイナス金利#じわしわ#出血#積み立て#生命保険#返戻金

 

無犯罪証明書をあなどるなかれ

ずっとリウマチの話だけではまじめすぎてちょっと・・・

 

今日は、留学についての話です。

 

前に書いたように、来年あたりオーストリアに留学に行きたい!

ということで、先方の大学とやり取りをしつつ手続きを進めているわけです。

先方からは必要書類として、

  • 履歴書
  • パスポートコピー
  • Visaか在留許可
  • 出生証明書(戸籍抄本の英訳でいいみたいです)
  • 最終学歴の証明書
  • Letter of Motivation(志望動機を書くレター)
  • 現在の職場からの推薦状
  • 語学力の証明書
  • 3ヵ月以内の無犯罪証明書
  • 留学保険などの加入証明
  • 感染症検査の結果

を留学予定の9カ月前にすべてそろえるように、と。。。

 

ところが、なんでやねん!がいくつかある!

まず、Visaは滞在の3ヵ月前になったら初めて申請できます。

 

www.bmeia.gv.at

 

在留許可に関しては、通常は渡航後現地で申請します。(これが大変なんです)

「或る大学生のブログ・・・」さんのページをリンクします。

blog.livedoor.jp

 

9カ月前までにってなんやねん?!?!

 

仕方がないので、正直にウィーンの大学に相談しました。

ならいいわ。。と「Visaに関しては発行され次第送って」で済みました。

そういうことはいつものことらしく、全然平気でした('Д')

(なら初めから、9カ月前に用意するようにかくなよ!)

 

しかし無犯罪証明書に関しては、そうはいかないようです。

担当者もわからないようで、大学本部に問い合わせてもらってますが、まだ返事がないようです。

 

では無犯罪証明書、用意すればいいということになりますが、これが曲者です。

「無犯罪証明書」

また、無犯罪証明書は各都道府県管轄になるので、先にそちらへ行くことが必要です。無犯罪証明書を取得する際にも、パスポートやらAcceptance Letterやらは必要になるので、それも各都道府県の県警に確認しておきましょう。二度手間になるのは避けたいですからね...。これも書類を渡しに行き、書類を受け取りに行くという手間があるので、意外と時間がかかります。また、指紋チェックなどの軽い検査もあります。

 

前述の或る大学生のブログ さんの転載です。

 

私は外務省関連の書類だと思っていたのですが、実は警察庁管轄の事案なんです。

 

先に都道府県の警察に電話して、発給要件を確認後、来庁予約を取るという順序で手続きは進めます。 (行く部署は、なんと鑑識!)

発給要件(非開示)を満たすのならスムーズにいくのですが、満たさないと大変なんです。特別発給を申請することになります。

〜犯罪経歴証明書の特別発給について〜

 

オーストリアの場合、少なくても6カ月以上の滞在、もしくは現地で賃金の発生する労働をする予定などがあれば発給されるようです。

 

私は3ヵ月の予定で、research fellowなので条件を満たさず、特別発給をするしかないのです。 

 

ところがこの特別発給、甘くない。

 

なんとか法律の資料のコピーは入手できても(1カ月かかりました)、オーストリアの公的機関から、メールで無犯罪証明書を用意するよう、要請されないといけないのです。 さらに受理されても2カ月くらいかかる。。。。

 

は?9カ月前にまにあうわけないやんけ?

 

ちなみに、無犯罪証明書はこのようになっています。

日本の警察庁は警察証明書の発給を「捜査情報の開示」と位置づけており,ご本人であっても基本的に開示しないものとしているため,他国に比べて日本における警察証明書の発給条件は厳しく,原則として提出先国の公的機関から,現地の法的根拠等に基づいた要求の場合に発給の対象となります。

                            

警察証明書の特別発給を申請される場合には以下の書類が必要になります。

                          以下省略

 

 

英語の先生に聞いたのですが、諸外国は簡単にFBIなどから証明書をもらうことができるし、逆に移住の際に常に必要となるようです。どっちかというと、日本が異常・・・

 

ただ文面からは、虚偽の理由で申請して証明書をもらっても、何か問題があったときにまずいことになる予感がします。

 

下手すると無犯罪証明書の虚偽取得で有犯罪に・・・・・www

そんな笑い話もあるかもしれません。

 

 

先方からは無犯罪証明書を要求されている

日本側からは無犯罪証明書のいらない3ヵ月の滞在だから発行しない(VisaDでいける)

 

という具合に、合間に挟まれて困っています。

 

この問題は解決するのでしょうか?

 

今回はここまで

 

#無犯罪証明書#オーストリア#Criminal Record#ビザD#留学#在留資格