リウマチ外科医の徒然草

より良く生きるための抜け穴探しのゆる~いブログ

英文論文の査読期間は?

今日はエイプリルフールですね。

嘘でもいいから、たまにはいい話が聞きたいところです。

 

 

ところで、英文論文を通すことはアカデミアとしてはプライドであり、唯一の成果の証です。これがacceptされるかどうかで、大学院生などは人生を狂わします。

どうなれば通るという方程式はなく、まさに記述式の問題みたいです。

しかし、勝負事という側面をも持っています。

 

たとえて言うならば、高校野球に出場するための高校生活みたいなものです。

 

競合のおおいピッチャーを目指せば、勝てば注目を浴びますが、負けるといつまでも日の目を見ません。 ライト一本で練習したほうが、案外早く甲子園デビューできるかもしれません。風邪で欠場したレギュラーの代わりの代打出場でヒットを打ち、レギュラーに抜擢されるかもしれません。

甲子園に出ると、プロ野球への門戸が広くなります。

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論文を通して博士号をもらい、留学をして初めて教員への道が開くといいますか。

でもそのはじめの一歩が難しいのです。

 

半年近くの時間をかけて作成した私の論文ですが、投稿から4カ月たった現在でも「under review」のままです。

編集部に問い合わせましたが、単純にレビュー中とのこと。

 

一般的には、投稿後すぐにrejectされる「Editor's kick」があり、その後Chief Editorがざっと目を通して面白くなければ、immediately rejectとされます。

そうしてようやくReview作業に入ります。

何雑誌か投稿して、ここまで至るのが3,4誌に一つというレベルですので、これでも高き壁です。 そこから平均して2ヵ月くらいで結果が出るのがおおいようですが、なかには8カ月くらい?もあるようです。

 

私の論文に結果が出るのはいつになるのか・・・・

 

#英文論文#under review#editor's kick#アカデミアのプライド

 

 

 

個人情報保護法の改正

おはようございます。

 

先日、私の所属する病院で本年5月30日施行予定の個人情報保護法の改正に関する説明会がありました。

 

改正案は下記になります。

http://www.ppc.go.jp/files/pdf/290530_personal_law.pdf

 

なんと10年ぶりの改定のようです。

 

非常に複雑な内容で理解しにくいところもありますが、

何とか自分なりに解釈をしてみました。

 

改正法では、個人情報の定義が一部修正され、「個人識別符号」が含まれるものについても個人情報に該当することが明記されました。また、

 

要配慮個人情報

取扱いに配慮を要する情報を新たに「要配慮個人情報」として定め、取得時に原則として本人の同意が義務化されるとともに、本人同意を得ない第三者提供の特例であるオプトアウトも禁止とされました。

 

連結(不)可能匿名化 → 匿名加工情報

 

匿名加工情報は個人情報には該当しないため、本人の同意なしで第三者提供が可能となることから、企業はこうした匿名加工情報を基に、ビッグデータの利活用に向けた取り組みを促進することが可能となります。ただし提供の際には、提供の記録を残す必要があります。

 

以上のことから、

これまできちんと同意を得て文書を作成していた研究に関しては、

これまで通りで問題ないことになります。

医療情報はほとんどが、要配慮個人情報になることが予想されるため、

オプトアウトを使用して多施設からデータを集める研究がしにくくなります。

 

ますます研究をやめろと言われている気がしてなりません*1

 

#改正個人情報保護法#臨床研究#オプトアウト#多施設研究

 

 

 

*1:+_+

オーストリアに本当に留学できるのか?

以前、オーストリア留学のための無犯罪証明書について書きました。

 

無犯罪証明書の取得は、はやめはやめが肝心と。

 

無理なく取れる方は、次に必要なのはアポスティーユです。

ドイツ語訳がいりませんので、費用負担と大使館への交通費でことが足ります。

 

私の留学について少し。

 

Medical University of Vienna(ウィーン医科大学)は、リウマチ学においては、ヨーロッパで最も進歩した聖地です。

基礎研究から臨床研究、大規模多施設研究まで、リウマチ界のスパースターが枚挙のいとまがありません。

 

最も有名なのは、Josef S. Smolen教授です。

現在のリウマチの薬物療法の治療戦略である、

Treat to Target strategyの生みの親です。

www.meduniwien.ac.at

 

私はミーハーなので、会いに行きたくなってしまったんです。

整形外科医なのに*1

 

知人の紹介を経て、慣れない英語のやり取りを行い、

何とか留学許可を得たのが、2月。

それ以降、秘書の方とのやり取りなんですが、まあこれが進まない。

 

3月末が締め切りなのに、急かすメールを送ってもむしろ、

「留学生が多くて忙しいのに!」と怒られる始末。

 

まだ今日の時点でも、教室からのLetterが大学本部に届いていないようです。

 

本当に行けるのでしょうか?

 

オーストリア#ウィーン医科大学#Smolen教授#手続きが公務員的

 

 

 

 

 

 

*1:+_+

組織という安定と窮屈さ

リウマチ医は開業しても可能ですが、

リウマチ外科医は勤務医でないとできません。

なによりチーム医療が重要だからです。

先日、ご紹介させていただいた村澤先生の本にも書いてあります。

 

 

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ところが、勤務医の組織の中での不自由さは半端ない。

 

先日、マスコミ関係から出版会社に転職、昨年からついにフリーランスの記者になって、仕事をはじめた元バイト仲間に会う機会がありました。

 

「いや、ほんと自由になりました。 雇われ時代のあのストレスは何だったんでしょうね? 先生、本当によくやってますよね~ 開業しないんですか?」

 

心からうらやましく思います。

ガンダムUCのなかで、ダグザ・マックールは、バナージ・リンクスに言いました。

「自分で自分を決められるたった一つの部品だ。無くすなよ」

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仮に大樹のもとで安定な状態であっても、自分が自分であることを忘れてはいけない。

 

フリーランスへの羨望とともに、勤務医としての矜持を考えたひと時でした。

 

#勤務医#フリーランス#ダグザ・マックール#ガンダムUC