先日のJCR2017の報告でも書きましたが、リウマチの手術は減少しています。
しかしわれわれリウマチ医の実感としては、
どうしてこうなる前に手を打たなかった?! という症例が減りません。
先日来られた方です。両手指の変形がわかりますでしょうか?
日常生活のほとんどを奥様に頼られているようです。
右手は、母指 Nalebuff①とIP関節のシフト
示指から小指 MP関節の脱臼 と尺側偏位 さらにすべてがスワンネック変形を伴っています。
PIP関節は徒手的に50度くらい過伸展しますが、自動運動で80度の屈曲ができます。
なんと可動域130度!
PIPの制御機構も破たんしています。
尺側偏位の終末像ともいえます。
この方、中手骨に幸いながら骨びらんはあっても関節面は何とか残って見えます。
ポイントは以下の通りです。
・関節温存手術は可能か?
・PIP関節の制動術が必要か?
・伸筋腱中央策の整復は可能か?
・側索の(内在筋の)短縮量はどれくらいか?
・屈筋腱は効いているか?
側索については、以前の投稿
orthopaedicrheumatologist.hatenablog.com
で書いたとおり、だいぶん走行が掌側に変わってそうです。
また伸筋腱中央索はすべて尺側に脱臼しています。
いったんリハビリテーションを開始して、軟部組織の状態を改善してから手術に臨みます。今週から日手会なので、Tompson-Littlerなど制動術を勉強してきます。
#スワンネック変形#尺側偏位#終末像#リハビリテーション#日手会