リウマチ外科医の徒然草

リウマチ診療を中心に過ごす外科医の、日々あったこと、考えたことをつづります

尺側偏位×ボタン穴変形は最悪?

先日、ボタン穴変形も侮れないと書きました。

その理由は、側索の短縮と位置の変化です。

 

本来、ボタン穴変形はPIP関節の罹患によって、側索が基節骨頭の回転軸よりも掌側に移動してしまうことから発生します。

したがって、尺側偏位とボタン穴変形の同時罹患は、別の病態が重なっています。

尺側偏位とスワンネック変形の同時罹患は、別に珍しくもありません。

最近はバイオ製剤の登場により、明確なスワンネック変形は見かけることが少なくなってきました。

 

話を戻します。

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このような場合の病態はどうなっているのでしょうか?

 

スワンネック変形と同様にボタン穴変形においても、側索の短縮は生じています。

ただし、スワンネック変形のように側索の基節骨基部への停止部は理論上侵されていないはずです。

つまり、ボタン穴変形で二次的にMP関節の過伸展が生じていても側索と側副靭帯の走行は温存されるはずとなります。

手根骨高の低下の影響を置いておくと、屈筋腱と伸筋腱の緊張はバランスを崩さないはずです。

 

しかし、このような症例ではMP関節の罹患により、それらがすべて破壊されています。MP関節の掌側脱臼で側索の停止部や側副靭帯はすべて消失し(焼失?)、側索はボタン穴単独の影響に加えてMP関節脱臼の影響により、さらに短縮します。

 

また伸筋腱の緊張低下によりMP関節の伸展筋力の不足が顕著になります。なのに、側索はPIP関節の掌側を通り、屈筋として働く・・・

基節骨基部を背側へ引き上げる方法も未解決・・

 

スワンネック変形と比較して、PIP関節での破壊を伴うため代償が取れないことが手指の可動性の予備能を著しく下げています。

 

これに対する治療法についてはまた後日。

 

#尺側偏位#ボタン穴変形#コンビ最悪