リウマチ外科医の徒然草

より良く生きるための抜け穴探しのゆる~いブログ

考えられないことを考える(Thinking the unthinkable) 未来の医療界における人の役割を考える

リウマチ界のNew England Journalともいうべき雑誌、言わずと知れた

Annals of the Rheumatic Diseasesにある記事を見ました。

 

f:id:orthopaedicrheumatologist:20181212123421p:plain

この最高峰の雑誌に、近未来についての記事が載っていました。

<広告>

 

 

 

 

Thinking the unthinkable

 

www.ncbi.nlm.nih.gov



オープンアクセスなので、是非読んでみてください。

10年後の未来のRheumatology。 ある意味SFです。

 

Sandy(架空の女性)が、少し前からの手の痛みを感じ、自宅にあるスマートスピーカーに問いかけるところから始まります。

 

腫脹関節などは、自宅のカメラから自動的に取り込まれ、カウントされます。

ウェアラブルデバイスを用いて、Sandyの身体情報は常時計測され、体内に埋め込まれたデバイスにストックされています。

 

スマートスピーカーからされたいくつかの質問に答えると、ビッグデータを参照し、どうするべきかを指示してくれます。

 

 

指示にしたがい、Sandyは自宅近くのスーパーに買い物に行き、その際に玄関にある小さな医療ブースに向かいます。そこで、自動的に現在ストックされている自己データの吸い上げと、自動的なごく少量の採血を行われます。

 

何を計測するかの選択も自動でなされます。検体は自動でセンターに収集され、少しの時間の間に結果は配信されてきます。

<広告>

 

 

 

 

スーパーで買い物をすましている間に、結果は出そろいまして、コンピュータによる自動診断がなされます。

・・・99%の可能性で関節リウマチであると。

 

 

既往歴なども、自動的に考慮され、続いて治療オプションが表示されます。

・生物学的製剤Aの使用

・B低分子治療薬の使用

・AとBのコンビネーション治療

・遺伝子情報から得られた情報から、自己に特異的なT細胞レセプター抗体を作成

 

 

これらの選択肢には、各治療のメリットとデメリット、期待値が表示される。

費用も考えて、Sandyは自分で自分の治療を選択する。

 

選択に合わせて、自動で薬剤が自宅に届けられる。

服用のタイミングもスマートスピーカーが教えてくれ、確実に服用したか確認される。

 

治療の経過なども、コンピューターにより管理される。

<広告>

 

 

 

 

コンピューター技術の発展によって不要になる部分

 

ゲノミクスや翻訳技術などの進歩、データの集積による自己学習の発達により、

””よくある事象””については、おそらくどんどん判断されるようになります。

 

人間の医師は、各個人が別々に経験と知識をインプットしていかないといけません。

つまり、1個ずつ個別生産です。

 

それに対し、コンピュータはオリジナルを作成すればコピーは簡単に作成できます。つまり大量生産です。

 

人間だと忘れたりもしますし、担当者が変わるといちからやり直しになるものですが、コンピュータでは、すべて記録済みで後戻りはありません。

新規情報を入れ続けるだけでよいのです。

 

 

人間にとって対抗できないハンデを、記録という領域つまり知識に持つことになります。

 

どの領域でもコンピュータの方がよく知っている。

これって怖いことですよね・・・・

 

<広告>

 

 

 

 

では人間にしかできないことは何か、逆に何が残るのか?

 

医師に限定した話ですが、これは全業種にかかわる話です。

 

例えば、薬剤師。

 

少なくても処方箋薬局に関しては、オートメーション化が容易なはずです。

 

現在は各商品のPTP包装が異なるため、一包化するにしても今は人力ののちにパッケージしています。しかし時期にそれも機械化するでしょう。

 

f:id:orthopaedicrheumatologist:20181213151640p:plain

すでに一部機械化は始まっています

薬物の相互作用や禁忌のチェック。

これは完全に知識によって成り立っています。

 

 

相互作用や年齢、臓器機能を考慮に入れた処方は、医師の判断によって、薬剤師は指示通りに業務を遂行します。

チェック機構として薬剤師がはたらくのは、医師がうっかりイージーミス(14日分と28日分など処方日間違い)と、あまり知らない部位の薬を患者の求めに応じてしぶしぶ出した時くらいです。

 

 

 

どちらにしても、業務自体が知識によって成り立っていることと、データベース化しやすいので、コンピュータにかないません。

 

より専門的な薬剤師である、抗がん剤などは比較的残ると思われますが、調剤薬局などはコンピュータを入れたら終わります。

 

薬剤師の未来はあやうい?!

 

<広告>

 

 

 

 

看護師は、感情に関する部分を多分に含むので、しばらく残ると思われます。

介護ロボットと母性とが進化し、合体したら看護師も危ういかもしれません。

 

 

 

医師に関して。ここが本題です。

 

論文にも書いています。

 

イージーな、典型的な症例では、おそらく治療法が画一化されると思われます。したがって、そこに携わっている医師は淘汰されることが予想されます。

 

つまりは一般医といわれたり、初療のみに従事している開業医などは確実に役割が減少します

 

 

一方、合併症などの複雑な症例、非典型例では、コンピュータが機械学習である以上、いかに1例報告などを学習しても、匙加減は計算できないと考えられます。つまり、かなりのエキスパートは、今後もオピニオンリーダーとして永らえていくし、彼らが作ったデータから機械が学習していく。そんな構図になりそうです。

 

 

開業医さんたちは、地域と介護に根差すしかないのかもしれないですね、。あえていうならば、人の感情に根ざす仕事なら生きていけるかもしれません。今のように薄利多売で稼ぐことは難しくなります。

 

 

 

ところが、、、そこに人材関連法案で決まったように、移民をうけ入れようとしています。日本人の仕事できる枠を自分たちで捨ててしまうということです。

 

f:id:orthopaedicrheumatologist:20181213151530p:plain

 

未来は、コンピュータ v.s.人間 の仕事の奪い合いなのに、政府はその前に日本人以外に分け前を与える。。。。。

 

<広告>

 

 

 

 

それと比較して、勤務医はどうでしょうか?

 

勤務医の仕事は人口減少と相まって、仕事が激減する可能性があります。当直業務も今よりもシフト制を取りやすくなっているのではないでしょうか?

 

仮に

エキスパート → 真に専門的なチャンピオン症例の対応

 

専門医 → 典型より外れた、標準偏差くらいの症例の対応

 

専攻医 → エキスパートの道を目指すが、過当競争の上に、これまでは最も初めに経験するような簡単な症例がコンピュータに奪われてしまうため、自己研鑽のための症例集めに苦労する

 

 

このようなピラミッド構図を思い浮かべました。

会社員と同じですね。 いかに立場を上げるかに注力する必要がある。

f:id:orthopaedicrheumatologist:20181213152156p:plain

<広告>

 

 

 

 

そう考えると、

とある同門の先生が言っていました。

「最近の研修医は、勉強ごとより、勉強をせずに手技ばかり経験したがる」

 

われわれの感覚からすると、手技を学ぶためにも勉強がいるので、勉強や経験に基づく考察なしに経験した手技は、泡沫となって消え去る。

 

 

でもその感覚はもはや古いのでしょうね。

 

最近の若者は、これからの時代の変遷を身近に感じていて、同級生よりも抜きんでるために手技を経験したがる。  そう考えれば合点がいきます。

 

 

翻って、逆に医療人の未来の役割は、人類の健康のために機械に任せられる部分は機械に任せて、未来を切り開き新しいことを見つけることなのかもしれません。

 

機械に教えられるくらい、自分自身は最先端にいないといけない。

<広告>

 

 

 

 

医療の分野だけにかかわらず、科学全般にまるでビッグバンのように知識は拡大していいます。ヒトが一人の能力で、すべてを把握、理解するのはもはや不可能です。言い換えれば、だれもが驚くような新発明は生まれにくいくらい、科学は発展しましたが、逆に誰もが目の前に小さなNeuesを抱えていて、誰もが見つけることができる。そんな時代かもしれません。一つの小さな手技にもNeues。

 

 

未来は役割が変わって、よりきめの細かい医療が受けられるようになっているのかもしれません。

 

私も変革にとり残されないように頑張らないと。

 

われわれ世代が支配層に勝たないと未来の世代の希望を奪ってしまう。 公正さと正義を忘れかけたころにもう一度読みたい記事

思うところがいろいろあります。

 

年を経るにつれ、今さらながら世代間の違いと対立構造について考えさせられる機会が多くなってきました。

f:id:orthopaedicrheumatologist:20181209180101p:plain


 

 

最近であれば、身近な話題はM-1グランプリのとろサーモン久保田の暴言事件と、上沼恵美子の立ち位置、松本人志の考えるところのお笑い論と、、、。

 

大きな局面でいえば、安部さんなどの勝ち組世代が自分たちの価値を確定させるために、日々の政を行っている件。。

 

足下でいうと、自分の最上司にあたる”教授”といわれる人間が、定年まじかに自分のことばかりを考えて好き放題にルール変えていっている件。。

<広告>

 

 

 

 

これらは世代間の闘争の1つと考える方法もある

 

人間、誰もが”苦労をし続ける”のはまっぴらごめんです。

 

M-1チャンピオンのように、一つの勝利が人生を大きく変える。そんなシナリオを夢見て、日々の地獄を我慢する。 小さな水滴が石を穿ち、やがて形が出来上がっていく。

それが昭和世代の描いたサクセスストーリーです。

 

手塚治虫先生のトキワ荘のような、極貧からのサクセスは、時代背景的には昭和の遺物です。成功者は、のちに審査員や採点者として、より自分が”キング”で居られるように構造を作っていく。 支配者として残っていくという構造です。

 

 

しかしこれには決定的な欠陥と無理があります。

 <広告>

 

 

 

 

ピラミッドの頂点であるウィナーの数はたった一つしかないのです。

 

教授は15年に一人なので、十分な数のポストは得られないのです。

そして成功者は、自分の支配が及ぶポストを用意し、形式上”キング”となる道のゴールに近づいているように見せる。 そして求心力を維持し続ける。

 

 

M-1王者は毎年出るので、中川家やフットボールアワーの芸能界におけるポジションは、霜降り明星には手に入らないのです。そろそろ飽和です。

 

 

安部さんは未来の日本の富を売って、今の自分の利益を手に入れています。政権を維持することを至上命題とし、今の子供たちの世代に胸を張って言えるような政治はしていません。

 

f:id:orthopaedicrheumatologist:20181209175016p:plain



 

「ご飯論法」なんてもってのほかです。

何が流行語だ!! 「ずるい大人」をしていることを恥ずかしく思え!!

<広告>

 

 

 

 

30歳から40歳のわれわれ世代は下克上をしないといけない

 

 

50代は今更自分を変えるのは無理だと、あきらめて体制に従っている世代です。

乗った方が自分に得る利益は大きい。

 

60代はわき目も降らず自己利益に向かう。50代はそれを支えて、おこぼれをもらう。

 

40代以下は切り捨てです。

 

www.orthopaedicrheumatologist.com

 

 

40代以下は年金もありません。

60代に配ったらなくなります。

 

 

われわれは、彼らと戦わないといけないのです。

正義感をもって政界入りする同世代を増やす。公正な目的と行動をもって医局運営にあたる、まともな教授をわれわれ世代から。

 

勝ちに行くときに、上の世代の用意した勝ち馬に乗っていはいけません。世代間闘争であるということを忘れないように。

<広告>

 

 

 

 

音喜多さんの言い分をもっと見てみてください

 

www.minnanokaigo.com

 

 

われわれがこの闘争に勝たないと、より未来の世代に禍根を残します。

次の世代にために、われわれの世代は仮に負けても、爪痕は残して、彼らにも血を流させないといけないのです。

 

<広告>

 

 

 

 

 

 

今年も恒例の損切りの季節がやってきました。 卒損切できるのはいつになるやら笑

今年も損切の季節がやってきました。

 

そういえば昨年も同じようなことを考えていたのか、、、

 

www.orthopaedicrheumatologist.com

 <広告>

 

 

 

損切りの限界日=デッドライン

 

昨年、私はこれで損切りを失敗しました。

 

そう聞くと、普通は

約定日 >> 3営業日後=受け渡し日

 

f:id:orthopaedicrheumatologist:20181128103958p:plain

これを理解してなかったのか?と思われるお思います。

 

例えば、12月29日に約定した場合、営業日からすると受け渡し日が翌年1月4日 (祝日など考えて)になるので、年度内の損切りにならないという現象です。

 

初心者的ミスの典型ですが、さすがに私もこんなミスはしません。

 

とはいえ、年度内がデッドラインですので、どなた様もギリギリまで値段をにらみながら決断をするわけです。

<広告>

 

 

 

特段理由がなければ12月最終週を目途にするが、銘柄によっては・・

 

 

昨年の今頃、配当金の約20万円を消すために損切りを計画していました。

損切りすることができる含み損の銘柄は多数!!あります(自慢ではないが)。

 

私の現在のポリシーは超長期保持による、配当金(インカムゲイン)による不労所得の増大、ひいては将来のアーリーリタイアですので、

 

含み損のあるなかで、できるだけ株数は保持したい。

 

==> 一番騰落率の高かった(損した)シンガポール株の決裁をもくろみました。

 

 

ここに落とし穴が。。。。

本当にデッドライン上で決済をしたら、きちんと約定を見ていない自分が悪いのですが、

 

(当時は)4営業日後の受け渡しだったのです!!

(現在は3営業日後に改定されました)

 <広告>

 

 

 

 

 もともとシンガポール株は、配当性向が高いことと、現地税がかからないことがメリットではありますが、その反面手数料率が高いことが問題の商品です。

 

したがって、売買は最低限にしないと手数料で1年分の配当とか結構飛んでしまいます。 涙を呑んで、損切りしたのに。。。。

 

受け渡しの計算ミスで、翌年の損切りになってしまいました。。。

f:id:orthopaedicrheumatologist:20181128114527p:plain

大きな声で言います!!

皆受け渡し日には余裕を持って俺みたいになるな!

 

<広告>

 

 

 

 

本当は、もう損切りなんて卒業! ってくらい、毎年プラスになっていれば、こんな問題にはならないんですけどね~

 

母指Nalebuff分類 TypeI変形へのベストトリーメントは何か? カオスな現状と暗黙知の統合のための備忘録

最近、一周回ってまた母指変形に凝っています。

 

これまで、TypeI変形の疫学などを中心に研究・発表してきました。

 

最もよく見られる変形にもかかわらず、

f:id:orthopaedicrheumatologist:20181121095807p:plain

”どこから”が変形で、

”どこから”が手術が必要で、

”いつまで”に治療を始めないと、

”どのように”なるのか?

 

 

最もシンプルなこの答えさえも実ははっきりしていません。

<広告>

 

 

 

 

 最も古いステージ分類はTerrono分類

 

もともと母指変形がタイプ別に分けられたのは、1968年のことです。

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

この時は3タイプだったのですが、

はじめにこれが提唱されたのは、

アメリカリウマチ学会リウマチの診断基準が発表される(1978)よりも前なのです。ものすごい観察眼です。その後も臨床を観察に観察を続けていき、

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

を経て、お弟子さんのSteinが発表した、

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

ここに完成します。1996年のことです。

罹患関節と変形のパターンから6つに分類されています。

 

われわれは当初はStein分類ということにしていましたが、おおもとをたどるということや世界的にも”Nalebuff分類”が定着していますので、

 

現在はNalebuff分類に用語を統一しています。

 

ところがRAは多関節罹患なので、実際には複数関節が破壊され、このように純粋にタイプに分けることができないこともありますので、

 

オリジナルの方法に加えて単純X線による評価を加味します。

<広告>

 

 

 

 

そして、同じくお弟子さんであるTerronoが

 

TypeI変形をステージ分けしています。

 

これ自体がとても画期的とまでは言えませんが、論文の本文を見ても観察眼に成り立った記述がなされており、結果として彼のステージは手指機能と相関することが明らかとなっています。

 

いずれにせよ、関節の可動性で

Advanced、Moderate、Earlyの3段階に分けられます。

 

 

この分類は1996年のもので、私的にはもう少し改良点があると思っているのですが、これに関しては後日、論文などにできた後に書きます(著作権などの関係)。

 <広告>

 

 

 

 

実際には何が機能障害を規定?

 

直接的には、関節破壊の有無です。具体的には関節面の保持です。

 

ところが関節破壊に対する治療法は、

・ある程度傷んでいてもそのまま頑張って使う

・人工物への入れ替え

 

この二つしかありません。

もしくは、無抵抗主義として、関節固定を行う。

 

これらの違いは、膝関節いうところの

 

高位脛骨骨切り術と人工関節置換術

 

この二つの対決と同義です。

(膝関節では関節固定はありませんよね笑)

 

f:id:orthopaedicrheumatologist:20181121111929p:plain

母指に関しては、評価がしづらいので、成書にはほとんど記載されていない暗黙知として、リウマチ外科医は軟部組織の拘縮と短縮、変性が大きく治療経過を大きく左右します。

 

膝関節では、もともとの屈曲拘縮は骨切り位置の調整で、伸展0度を目指しますが、屈曲は大腿四頭筋の拘縮に依存するとして、屈曲は改善しないとされています。

 

高位脛骨骨切り術は、人体バランスが崩れるくらいのアライメント調整の際には、ハイブリッド法を用いて、骨短縮を併用します。

<広告>

 

 

 

 

翻って、母指ではどうか?

 

海外では多くの施設で、

CM関節の形成術を行う、もしくは人工関節を行い、MP関節は固定術を行っています。

日本においても母指MP関節の固定はある程度スタンダートでしょう。

 

その理由が、軟部と関節の問題を同時に解決する必要があり、それが困難だからです。

 

 

 一方、先進的な手の外科は可動性を追求します。

 

というのも、母指ではIP関節の固定が避けられないことがままあるからです。

 

MP関節とCM関節は可動性を残す。

 

これが至上命題です。

とはいえ、われわれマニアでは、ここまでは一般常識レベルです。

 <広告>

 

 

 

 

ここから先が未開の地

 

可動性を残す。

この一点を目指すのにあたり、同時に獲得せねばならない安定性の獲得というのが、難しいのです。

 

一般的に

 

安定性 ≠ 可動性 トレードオフの関係

 

です。

 

実践的に有効な施策は、MP関節にシリコンインプラントを挿入する方法です。

 

f:id:orthopaedicrheumatologist:20181121112744p:plain

シリコンインプラントはその可撓性により、

側副靭帯より近位までの骨短縮を許容します。

示指だけは側副靭帯の再建を要しますが、母指では問題ありません。

 

よくされるのが、足趾用のインプラントを母指に使用します

 

骨短縮が十分可能なため、MP関節の掌側脱臼にも対応できます。

 

その時に掌側関節包をどうするのか?という疑問がわれわれの中ではあります。新潟の先生は関節包を横切りしています。背側侵入で、掌側を裏から横切り。

<広告>

 

 

 

 

一方、私のところは可能な限りMP関節の解剖学的運動の再建を目指す。という観点から、スワンソンによるスペーサー効果から得られた可動性ではなく、表面置換型を用いた可動性を狙っています。

 

もちろん成功すればとてもよいのですが、ピットホールが多すぎて安定しないのです。

まず、側副靭帯の問題。

 

スワンソンと異なり、表面置換には自己による安定性や制動性はありません。

結構安定性の獲得で苦労するのです。 少なくない術後脱臼。。。。

 

 

十分に行えない骨切除による掌側亜脱臼の残存。

 

掌側関節包は、側副靭帯付着部を温存するため、スワンソンほど簡単に掌側を乖離できません。というのも、掌側板と関節包、側副靭帯は一体の組織で、強固に連結しています。掌側だけはぐのは難しいのです。

 

f:id:orthopaedicrheumatologist:20181121113611p:plain


<広告>

 

 

 

 

われわれは関節包外から掌側の剥離を試みていますが、FPBの付着部まではぐのはむつかしい。。。もちろん、関節包までたどり着くには、種子骨の問題も残ります。

 

 

当然、スワンソンと比較して変形が軽度でないといけない、つまり軟部組織の状態に結果が左右されるということになります。

 

何が何でも表面置換とはいかないとは思うのですが、どこまでが可能なのでしょうか?

軟部組織の評価法が一定化すると可能になるのかな?

 

暗黙知の出し合いが学会の現状で、いつも同じ人がしゃべっています。

意見の誰もが同じ部分のことしかいってくれません。。。

早く大事なところを教えてよ~~

 

 <広告>