リウマチ外科医の徒然草

より良く生きるための抜け穴探しのゆる~いブログ

仕事より大事なものはあるのか? が家族より大事なものがあるのか? に変わった理由

みなさま令和元年おめでとうございます。

 

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管理人は仕事に出ているわけではないのですが、家庭の業務(子供の遊び相手、お出かけの準備、食事の支度)などに使い倒されて、自分の仕事を連休中に進めるということができていません。

 

5月連休明けからすぐに整形外科学会があり、自分の仕事を進めておかないとピンチに陥ります。

 

ところが、家庭においては上記を言い出すことがほぼできません。

子供は普段いない両親がいることもあってハッスルしており、片時も暇を与えてくれません。嫁は自分の服と子供の服を買いに行きたいとか言うくせに・・・・

 

嫁に勝る鬼はないのです。

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この価値観はこの10年で急速に広がった

 

 この 家族を優先するという文化は昔からあったのでしょうか?

 

おそらく違います。

小生のたった6年先輩くらいの学年でも、亭主関白といいますか、仕事にいったまま家庭を顧みない、週末も仕事の会合といったり、学会で週の半分不在にしたり。

 

少なくても子供の起きている姿は見たことがないという体の人が多いです。

 

そのため、週末の会合への欠席や、業務後に保育園に迎えに行ったりする私は、かなり異質に映るようで、言葉にはしませんが、サボリくらいには思っているのではないかと思います。

 

 

彼らにとっては、仕事がある = そちら優先 はあたりまえ(たとえ時間外でただ仕事関係人があつまるからという理由も含む) なのです。

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最近の流れの変化

 

ところが、最近は子育てのために自分は40代になる前に独立をしてしまう、自宅にいる仕事を選ぶという人が増えてきています。

 

取引先の方もいますし、同期入社が開業したというところもそうですし、後輩などは私の今と同じように、家で主夫をしています。

 

仕事 < 家庭 なのです。

 

会社に言われるがままに振り回されるのはもってのほかということです。

 

私も含めてですが、むしろこのスタイルを選ぶ人間は、

仕事第一の人たちよりも、業務時間中だけできちんと仕事を仕上げる必要性がある分、より高い精度と速度での仕事を求められます。

 

結果が出ないのは、家庭に逃げているからといわれないように、必死なのです。

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一体何がこの世界観の変化をおこしたのでしょうか?

 

いろいろ、海外の文化の浸透もあるとは思います。

ゴーン被告も、家族の次に日産の仕事を最優先して頑張ってきたと、あっけらかんと言っています。(その時点で黒ですよ、お金回したのなら)

 

経済学的観点からは、こうではないでしょうか?

 

以前は

仕事に没頭 → 仕事での職位が上がる → 給与が上がる → 職場での自分の居場所もあがる → より居心地のいい仕事により傾く(家では居場所がない) → 老後も居場所をもとめて仕事にしがみつく

 

 

現在は

家庭も重視 → 家庭での立場が少しのこる → 家庭に居場所がある → 老後は子供と奥さんと暮らしていける

 

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結局のところ、職場は昔のように生涯を安定化してくれなくなりました。

 

出向などを含めて退職させられる、給料が上がらない、仕事だけになっても自分にスキルがないため何も残らない。

それよりは、家庭の方がオッズ比的に自分の未来の居場所の確保に有利ということが明らかになったからではないでしょうか?

 

 

仕事にかけるよりも、家庭にかける(賭ける)ほうが勝率が高い。

そんな時代ということです。

 

世知辛いですね、ただ現在は時代が移行期なので、実践する人はよりしっかりと結果を出す必要があるので、普通の仕事人間よりも大変です。

 

 

やはりこの世代は、

ロスジェネの逆襲どころか、合わせるので精いっぱいなのですね。泣

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人生を決めるのは運でも実力でもない だけど確変が起きるまでは別の努力が必要だ

怒涛の一週間が終わろうとしています。

 

リウマチの中でも手外科の人には、いいような悪いような。

日曜日から始まった学会で、水曜日に京都から札幌に移動、手外科学会にとハシゴする形になりました。

 

心境の変化から、最近メインの学会では最低2演題、できれば主題やなどの話す時間を長くするように画策しています。

できることなら大きなシンポなどで話す機会がほしい。。

 

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露出を多くして、行けるところまで行ってみる。

そう思うようになりました。まだまだ自信を持てるほど自分のレベルは高くないのですが、実力が伸びるのを待っていても、環境を変える努力(確変をねらうというらしい)をしないと、自分より実力が低かった他人に結局長い目で見ると、実力も実績も負けてしまうという事実を知ってしまったからです。

 

 

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この本は、自分の知りたくなかった事実を教えてくれます。

心を強く保てるのであれば、一度この本を読むことをお勧めします。

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40代に入り、学会では若手といわれますが、実際に組織の中では若手ではありません。

自分に芽が出ているので仮にあるとすると、ここ数年のうちに実力が上の人たちと一緒に仕事できるところまで上がらないと、先はないなと思ったのです。

 

これまでみたいに、こっそり一般演題で申し込んで、5分しゃべって、聴衆の少ない部屋で無事に終えて‥‥ なんて自己満足をしているのでは意味がないかなと。

 

多数の学会に参加して発表だけしていてもそれじゃあ確変は起きないのです

 

 

実際、自分よりも後の卒業年次の先生方でも、学会の中心人物になりつつある人は多数存在します。芽が出ている人は40歳でもう芽が出ています。

 

逆に私は気づくのが遅すぎたのかもしれません。

 

 

正直、芽が出ないなら開業をしようと考えていました。

変に道に残って、後輩たちの伸びていくのを妨げるのだけは避けたいし、可能なら家族も楽にさせてあげたい。

 

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いまの公的病院かつ安月給では、十分に子供のお金をかけられないからです。

一般の商売などと比較して、開業である一定の収入に達する確率は、飲食業などをするのに比較して、成功確率が高い

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自分の商才には疑問がありますが、一般的な医師なら何とかなる世界なようなので、逆に誰でも行けるのなら、芽が出ないと悟った時点で、生きる道を変更しようと思っていました。

 

貧弱勤務医 → 初心者開業医

 

投資をしていたのはアーリーリタイアのためです。

開業してしまっては、商売は簡単に閉じれませんので、すなわちアーリーリタイアを諦めることと等しいです。

 

 

葛藤がありましたが、

いったんこの決断を2年延期することにしました。

 

それは確変?かもしれない事象が起き始めてきたからです。

 

ちょっとだけどシンポジウムの演者。

少額だけど研究費の獲得。

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小さな努力の結晶ですが、乾ききった心の砂漠に一滴のみずがしたたり落ちたようです。しみわたりました、そしてあと2年だけ頑張ることとしました。

 

努力は小さな確変なので、続けないといけないですね。

もう少しだけですが頑張ります。

チファジャの相次ぐ値上げによって時代の移り変わりと終焉を感じた 焼肉の趨勢は高級志向?

管理人は、決して大きな体躯をもつ高排気量のスポーツマンではありません。

今でこそ、桃田選手の活躍によってメジャーになりつつあるバドミントンを10年以上してきましたが、それも学生の頃の話です。

 

もはや競技していた年数と、その後の年数がいつの間にか逆転してしまいました。

高速での移動と跳躍を要するため、筋肉は必要以上あるとかえって重りになってしまうのです。サッカー選手やバスケットボールの選手に近い人種です。

 

そんな私の、現役時代=若かりし頃の楽しみといえば、

 

部活の後の 焼肉 でした。

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そのころ、おそらく創業期だったのでしょう。

チファジャは、店舗数をのばしつつ学生の心をわしづかみにしていまいた。

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いまでも耳に残るあのフレーズ

 

皆さんも一度聞けば思い出す。

~チファジャで焼肉、食べ放題~~

 

タンパク質に飢えどもお金のない学生には、2~3千円で食べ放題、場合により飲み放題が付くのは、たまらなく魅力的でした。

 

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当時は、まだユッケの販売が今ほど厳しくなかったのもあり、

テーブルで、ユッケお替り6つ! などと、オーダーしていましたし

はじめのビールがテーブルに届いた瞬間飲み干して、持ってきた店員さんにそのままお替りをオーダーする。 なんて自分にも勢いがありました。

 

お肉に関しても、3人前のさらをお箸でざらざらと網の上に落とし、そのまま次のお替りを頼んでいました。 それでもみんな若かったので、余ったりすることはありませんでした。

 

そう、チファジャは私の青春の思い出の場所なのです。 若かった。

 

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しかし、高学年になるにつけ自分の中でチファジャ離れが進んでいきました。

 

 

 当時は、国家試験に合格したら、新卒者でも一応一人前の医師でした。

○○科と名乗ってもよかった時代。

 

いまは卒後2年は研修で回るので、特定の色がつくことはありません。

 

 大学の6年生といえばまさに、各医局からの勧誘活動の真っ只中でした。

 

 そのころの医師の給与は、感覚的には今の1.5倍はあったと思います。

大学の教授や助教授(当時)など、豪華な顔ぶれで、学生を何十人単位で夜の街に連れていく。 男は特に焼肉が多かった印象があります。

 

そのころから焼肉は、これまで食べたことのない世界に代わっていったのです。高級志向といいますか、高い肉を食べさせてもらえることが多くなりました。

 

 

もう、チファジャの出る幕はなくなってしまったのです。

どれだけ食べても4000円もあれば、何とかなる。試験の後のオアシスは、形を変えてしまいました。

もう、行くことはない、そう思っていました。

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時は変わりお店の役割もかわる

 

私の変化もありましたが、お店の変化もあったようです。

 

知らないうちに、食べ放題という看板だけは守りつつ、ターゲットの客層を変えていたのですね。年月を経てお店の外観をきれいにしたり、個室を用意したり、そうなっていたようです。

 

私も、いつの間にか子育てをするようになりました。共働きですので、毎週末には二人ともがへとへとになってしまいます。

 

金曜日には、もうご飯は作りたくない、片付けもしたくない、ストレスを解消したい。その思いで、妻とも毎週金曜日は外食デーとする方向に自然となっていました。

 

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子供がいて、離乳食や同じでも味をコントロールしたものを食べさせたり、散らかしたりということで、個室がある店を探していました。

 

妻は、焼肉に私以上に思い入れがあるようです。

 

Googleさんに「焼肉・個室」と入れて、検索。

そして、チファジャと再会したのです。

 

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再開時の笑顔はとびきりだった

 

おそるおそる行ってみました。

きっちり個室で、子供の声もある程度許されそうです。

 

なにより一人2800円台で食べ放題が食べれました。

デザートや冷麺も込みでです。アルコールは1000円くらいでした。

 

子供用にうどんもあって、それを与えておけば機嫌よくしてくれていました。

 

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二人で7000円くらい。

 

 

もちろん安くはないが、共働きのストレスに対抗するには、牛タンがどうしても必要でした。 子供のことで遠慮して、あまり通常は外食はできません、そういう意味でとびきり 「おかえり」といってもらったような気分になりました。

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いつしか、月に1度はおとずれるお客さんになっていました。

 

その後何度かメニュー改定が行われたり、徐々に値上げしてはいましたが、、、

 

 

ところが、2,3月と多忙の日が続き、行けていなかったのです。

先日久々に行ったところ、大きく価格が変わっていました。

 

もちろん、飲食業の方の経営の厳しさは投資家としてはわかっているつもりです。

ここにお金が回らないと日本はよくならない。しかも消費税も間もなく上がる。。。

 

 

でも食べ放題が、4000円になっていました。

肉のランク、、、変わったようには見えなかったです。

はっきりと時代の余波ですね。

 

奥さんも今は飲みます。

二人で11000円になりました。

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共働きでも、週末の外食に11000円は痛いです。

しかもその時は、子供も両親もストレスがたまっていたのか、食べながらけんかをしてしまい、食べた味をあまり覚えていません。

 

夜中に、自分の意の中から上がるニンニクのにおいが唯一 焼肉だった証。。。。

 

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時代は終わった

 

決してチファジャを非難しているわけではありません。

どう考えても高い立地のところにあり、あの値段では厳しかろうと。値上げはやむなしです。理由は先述の通りです。

 

ただ、私も独立国の城主なので、家計を管理する必要があります。

こどもも通い始めのころより少し大きくなり、もうゆっくりと肉を食わせてくれません。素直に、時代の終焉ととらえて、チファジャを去ることを静かに決意しました。

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決して高級焼肉が流行っているから値上げしたわけではなさそうです。

もちろん、希少部位や、ブランド牛の焼肉を看板にする店を非難するつもりはないですが、焼肉を庶民の手の届くところに戻してもらいたい。

 

 

高級焼肉店は経営がよく、ものすごく建物などにも力を入れており、羽振りはよさそうです。かたや庶民の味方は。。。。

 

 

 

消費税10%の世の中は、みんな始まってから実感するだろうけど、

もはや先に感じてしまいました

これは、庶民の生活がピンチになるぞ。。。

予感が的中しなければいいのですが。

 

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関節内注射はやっぱりブラインドじゃなきゃダメ ープロとしての矜持を大事にしようー

管理人です。

 

最近、勤め先の特殊性が大きく影響しているのだと思われ、

関節炎の原因診断に苦慮するような症例ばかり見ているような気がします。

 

 

例えば一例を紹介します。

 

・以前に膝が腫れていて、他の医師により腫脹している部位を、「軟部腫瘍」として切除を受けていた方が、同部位が再び腫脹、水腫をきたしたとのことで、腫瘍外科医から依頼された。

 

・昔交通事故で股関節の骨折歴があり、20年の時を経て同股関節の外傷後変形性関節症にいたった。人工関節が計画されたが、術前検査で、恒常的にCRPが高いことが判明し、同時期から反対側の足関節に腫脹を認めるようになった。股関節外科医から診察を依頼された。

 

・キーンベック病の症例に対して手外科医が手術を予定したが、術前のMRIで手関節の滑膜腫脹が手関節全体、尺側手根伸筋腱部まで広がっていることがわかり、鑑別疾患を依頼された。

 

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正確には、自科からのコンサルテーションですが(笑)

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このような、単関節炎の原因を特定するのは実はものすごく難しいのです。

 

2010ACR/EULARcriteria

誰もが今や知っている診断基準。

これはリウマチを診断するためのツールです。

 

スコアリングで6点以上であれば、リウマチとして分類すると。

でもスコアの前に、「リウマチ医によって他の疾患が除外できる」という条項があります。すなわち、典型例ならともかく、他の関節炎の除外ができるほどの経験を要するということです。

 

整形外科医の皆さん、サルコイドーシスによる関節炎って見たことありますか?

私も少ないです。

 

そしてこのツールには、大事なもう一つの表が載っています。

それを改変して載せます。 改変したオリジナルです。

 

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実は診断ってものすごく難しいんです。

 

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先ほどの症例たちはどうやって診断するのか?

 

問題の症例たちです。

他の疾患の存在が判明していれば、鑑別は一気に簡易になります。

 

 

でも残念ながら、はっきりとしている既往はありませんでした。

 

 

どの症例もseronegativeかlow titer seropositiveでした。

そして少関節罹患

 

 

 

 

www.orthopaedicrheumatologist.com

 

前にも難渋した症例について述べています。

 

中には滑膜切除をして病理検査までした症例もありました。

 

 

www.orthopaedicrheumatologist.com

 

 

これらでわかる通り、診断は困難なのです。

 

グラフでも、まさに診断困難! の部分ですね。

 

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最終手段は病理だけど、病理は切り札にはならない

 

 

病理では、炎症浸潤細胞の量と、白血球のプロポーションくらいしかわかりません。

ましてや何による滑膜炎かははっきり知ることができません。

 

そこで有効なのが、関節内注射です。

特に単関節罹患の時に有用です。

 

 

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関節内にステロイドを注射します。

施行前に感染症の除外は必要ですが。

 

a0296269_09130460.png部位はいろいろと選べます。

 

 

内科の先生方からすると、膝と肩が有名ですがこれらの部位は通常のOAでも炎症が起きるので、診断目的に注射のまえに、水腫を抜くとか、他の方法ができます。

 

最も有用なのは、他の関節です。

たとえば、足関節、手関節、肘関節、手指関節、後脛骨筋腱鞘。

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炎症を伴った滑膜炎があれば、使用するステロイドの薬剤の効果に合わせて、炎症が引き、そしてその後きっちり再燃します。

 

そのサイクルによって、慢性炎症の存在を確認するのです。

SpAやSLEなどに伴う滑膜炎ではあまり聞きません。

ただ、ASによる仙腸関節の炎症には、関節内注射は著効すると、この間学会で話したドイツ人が言っていました。

 

 

薬効に合わせた、症状の変化を確認することで、RAか否かを類推する。

それが、リウマチ医(整形外科系)の真骨頂です。

 

 

 

そして、先日自分の後輩に関節内注射ー足関節を横で私が監督しながら、実際にさせてあげることができました。

 

若い大学院生なので、足関節に注射などは初めての経験であったようです。

「注射させてあげるからついてこい」と告げると、一周戸惑いの表情をしたのち、彼はこういいました。

 

「エコーガイド」ですか?

 

エコーガイド下穿刺なんて、片腹痛い。軟部組織で、位置が容易に変わるものであればもちろんエコーは有用ですが、関節の位置は動きません。

 

膝と同様に、ブラインドでできて当然です。それが矜持です。

 

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彼に、口頭で狙いと位置を教え、いつも見ているレントゲン増から、関節列劇を想像して確実に関節内に打つよう指示しました。

 

 

そして、本番。

 

大学院生は、針先を2回変えましたが、きっちりとやり遂げました。抵抗なく関節内に薬液が入っていきます。

 

でかした。それでこそ整形外科医だ。

 

 

今後も、後進の育成にも頑張ります。

 

では。