管理人です。
今日はまとまらない話を。
私がオーストリアに来て、初めて外来を見たときに
「患者が医師を指定できない」ことに対して良いなと思いました。
というのも、誤解や邪推のないようにお願いしたいのですが、
外来で
「〇〇先生に見てもらいたいからどうにかしてほしい」という要求を、事務の方々にぶつけている患者をしばしば見るからです。
「私は〇〇教授にずっとかかっているから、、、」的な話を若手医師にして威嚇する患者やもちらほらいます。(だから特別扱いしなさいといっているわけです)
診察日でもない日に要求することも頻繁で、かつ医師にも使える時間に限りと医師にも都合があることを全く無視して、自分が患者であるから、患者のためには何でも医師はすべしといわんばかりの剣幕の要求をする人もいます。
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オーストリアの「患者に権利がない」ことを嫉妬すらしました。
病棟においても同じ
私の所属するところでは、月ごとに担当Drが変わります。
また日ごとにDrが変わります。出張なども曜日で決まっているとは限らないようです。
病棟も月ごとにローテーションしています。なので、患者も当然担当が変わります。1月を超える入院では必ず経験することになります。
いや、正確に言うと指導医にあたる人間が主にローテーションしています。
病棟は主治医制ではなく、全患者をチームで把握しています。
毎朝30分間かけて全員でカンファレンスを行い情報を共有、今後のプランも決定。そのあと、全員で毎日患者回診を行う。そしてカルテ記載や、検査の追加などをその場で即座に行う。 意思決定はすべて指導医が中堅医師とディスカッションしながら決定する。したがって、中堅医師はディスカッションの上で思考過程や根拠を含めて経験を積んでいくことができる。 患者は全員指導医が決定する内容なので、高いレベルの医療提供が約束される。
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デメリットはないのであろうか
デメリットは、やはり指導医交代時の方針変更であろうと思います。
また日本で主治医制を引く最も大きい理由ですが、踏み込んだ治療が行われない可能性があるということでしょうか。誰かがする・・・的な。
日本でとあるところの主治医観はこんな感じらしいです。
姿勢は必要ですが、考えようによってはやりすぎやろうと思います。
・オーストリアの患者の積極性と自己責任性
・日本の患者の受け身性と他責的姿勢
僕はこんなん大っ嫌いです
番組としてどうとかいう論点ではなく、その姿勢が同意できません。
日本ではいわゆる
「いい医者」探し = 自動的に最良の結果
と定義している番組ということになります。
日本の患者の受け身性と他責的姿勢を良い方向に導くことができれば、より良い方向に向かうのではないかと考えています。
日本の患者は世界最高峰を低価格でもらえることに甘えています。
日本で主治医制をなくすとどうなるのか?
モデルケースとまではいきませんが、外来なら多数存在します。
あまり大きくない病院の毎日「担当医」の外来診療科がそうです。
大概、非常勤を雇って診療科を維持しています。
病院としては入院患者や外来患者の院外流出を防ぐため、少し高い給与を用意してでも診療科を多めに維持したいようです。
ところが、患者にとってはこれは実はマイナスに働きます。
誰が次にみても良いように、当たり障りのないよう診療が行われるのが通常です。
ある意味スマートな外来とも言えますが、治療適応は遅めになります。
というのも、日本は「先送り」文化ですから。( *´艸`)
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そういう意味で、医師の先送りを防ぐためにとられたのが主治医制(責任者制)なのかもしれませんね。 担当医制の良いところは、効率的なことです。スケジュールの制約のある時にいつでも他の医師に変わったり代理を依頼したりできますので、いろんな診療スケジュール、特に待ち時間は改善が見込まれます。
主治医制は、もっと医師数が確保できて患者が自分自身をよく知っていれば最良のシステムになると思いますし、必要な時間を確保するためにも、1人の主治医制の診療上限を設けるほうが良いと思います。
あくまで私見ですが。
www.orthopaedicrheumatologist.com
*1:
オーストリアの昔の日本のようなシステムに戻ると、おそらく日本人も今が恵まれていることに気が付くと思います。
でもできることなら退化の道ではなく、患者教育と当時に医師教育もして、進化という形で、新たな日本システムが構築されることを望みます。