リウマチ外科医の徒然草

より良く生きるための抜け穴探しのゆる~いブログ

虫の目がやっぱり面白い オタクのススメ 地域包括ケアの鳥の目は面白くない

管理人です。

学会シーズンが一段落し、臨床に戻っていました。

 

 

今日は休日に ”自らの意思”で勉強会に来ております。

日医かかりつけ医医機能研修制度 応用研修会。。。噛みそうな題名ですが、訪問リハビリテーションの算定料の研修と絡むので、将来的な布石の1つとして来ました。

 

 

というか、参加者の年齢層の高いこと!!

私なんか会場で若い方から5本の指に入りそうな感じです。

 

会場には80歳くらいの人までいる。。。

 

80歳の人が現在70歳くらいの年代の介護サービスについて知る必要があるのか??

 

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多くは60歳前後の現在地域医療を支える(勝ち組)の開業医さんたちが中心です。

大事な日曜日をつぶして、研修を受ける姿勢には頭が下がります。

 

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鳥の目としての地域包括ケアへの取り組みは。。

 

日本においては超高齢社会の世界でも先進国です。

中国が一人っ子政策の影響で、追随して15年ほど遅れてやってくる見込みです。

 

 

2025年には、団塊の世代が75歳以上になります。

ここから日本は、ある意味、生産人口としての時代を終えた人たちのQOLを支えるため、もしかして100歳前くらいまで一方的に支払いを続ける必要があります

 

この世代は、もともと年金も十分にもらって(支払金額<<支給金額)余裕のある年代の人たちです。

 

2040年がピークに達します。彼らが死亡していくこのころには終末期の医療費、それまでの介護費用の支払い、、、

 

2025年から2040年までが、社会保障費の面からみると、暗黒の15年、もっともきびしい時代になるようです。これはとっくに国もわかっていて、体勢を整えてきた。それが地域包括支援センターなどです。

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国はとっくにさじを投げています

 

 こう言っています。

公助 → 互助・共助・自助   

参加者が積極的に・主体的に

末端が自主的に活動して、その仕組みを広げていく

 

 

管理はしたいが能力はない。ようやく国は気づきましたか。

結局、現在あるインフラの力を借りないとできないのです。

システムの決定や構築も役所はしないようです。

 

 

 

 

 

会場には、勉強の場として、といいながら昼下がり、多くの方が船をこいでいます。おそらく必須研修や、診療報酬上逃げられない研修会なのでしょう。

 

私の前のかたも、後ろに傾いて、頭頂部が笑 私の正面に。。

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介護は医療ではないことをわかったうえで進まないとドツボにはまります

 

今後の暗黒の15年に向けて、医療と介護の連携を盛んにすすめてきています。

では、介護は十分な臨床経験を積んでいる、有資格者でメンバーが構成されているわけではないです。そんなことをしたら高くついて仕方ないので、経営の観点からも真っ白な人に業務をあてるのが正解となっています。

 

じゃあ、提供されるものは 医療? なのでしょうか?

医療と介護がシームレスになんてなれるのでしょうか?

 

上記疑問がわきます。

 

 

 

この疑問を解決してくれたのが、私の同僚です。

 

この同僚、少し前まで厚生労働省にいたのです。

 

彼曰く、

 

介護=サービス でしょ?

 

介護はサービス業、商売ですよ。 と。

 

腑に落ちました。

 

 

国は、暗黒時代の週末を、商業に託すという決断をしたのだとわかりました。

この目線は、虫の目で、やれどこどこの取り組みがすばらしいとか、サービス提供の理念だとか、そういう大事だけど全体には響かないところの議論ではなく、

 

鳥の目でみたこれからの介護とのかかわり方です。

 

俯瞰してみると、国は ”介護報酬” という形で、介護分野に投入できる総資金の量を決定できる権利を有しています。

ということは、商業に落とし込んでしまって、内部で競争してもらって、適宜自助努力で良いものを提供してくださいねと。

 

リハビリテーションも介護でやってくださいねと。

 

 

介護リハの質の良しあしとか、私はある程度こだわっていましたが、国はそこに興味がないのだなと。業界の方は、限られた報酬からできるだけ頑張ることを要求されます。

価格は、市場が決めるのではなく、国が決める。。。。 不当競争が予想されます。

企業も参入してきています。  あわわ。。

 

 

もう一度書きます。

 

介護 = サービス ≒ 商売 です。

 

こんなことに気づかしてくれる講義は、

全く面白くないですが、大事な講義です。総論は重要ですね。

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虫の目はのめりこむほど面白い

 

 逆に、虫の目ではニッチになればなるほど面白いです。

 

だって、事業的に成立するかどうかではなく、自分が面白いかどうか が判断基準になるからです。

国が何を言おうが、どうしようが、自分の信じることだけを正義にしていい。

これがおも白いんです。

 

オタクってそんなもんですよね?

AKBのファンやイチローの熱狂的ファンは、他人に何と言われようが、自分が楽しいから追っかけているはずです。

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私の場合、 釣り は仕事にならないので、

リウマチ外科医であることになります。特に手外科

 

この分野はたぶんメインでやっている人は全国でも50~100人しかいません。

なのでどの学会でも端っこの会場でしか話せませんが、集まったメンバーはいつもの顔なんです。あまりにマニアな分野なので、ディスカッションでは専門用語が飛び交います。

知らない方にとっては、念仏にしか聞こえないと思います。

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いま医療業界も多様性が出てきていて、何でもできるようで何にもできない医師が増えてきていますし、彼らを国は望んでいます。制度で何とでも変えられるし、コントロールできると思っています。

 

 

たとえば、政府は

 

「働き方改革」を医師には悪いように悪用しました。

www.medwatch.jp

 

研修医や高度技能の獲得を目指す医師を対象に「時間外労働を年間1860時間以下」まで認める特例も用意されています。

 

 

国は医師を殺したいようですね。

 

という表面的なことではなく、

これに専門医など医師の働く地域の強制変更を絡めたのです。

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新規研修医のシーリングは憲法違反では?

 

国は、働き方改革を5年後に達成するために、

残業時間を5年までに達成しないと、刑事罰対象にすると。

そのためには、都道府県単位での医師総数をコントロールする必要がある。

(田舎の病院では医師がいないから残業が減らないと決めつけ)

 

各都道府県の医師数を開業医と勤務医足して計算(5年後どうなっているかわからないから)し、

ブラックボックスの計算式に投入。

 

都道府県単位の各科の医師数の定数を決定!

 

 

この定数から、現在の医師数を引き算し、

もともと医師の多い府県では、

新たな医師の研修を頭打ちにする(シーリング)とのことです。

 

福岡県や和歌山県なども多くないのに、計算上?充足している?らしく

わが地域でも

 

整形外科医の新規研修は一年で6名までとなる見込みらしいです。大学病院はいくつかあるので、、、、一か所数名。これでは新人研修はもちません。。。

 

ん? 新しい医師が入らなかったら、われわれの残業時間は増えるのではないのか?

 

人が多い科に入りたかったら、足りない県で研修しなさい!

それでも難しければ、人が足りない(定数の余っている)科になりなさい。

 

医師も人格です。どこで働こうと、何科になろうと自由のはずです。

働き方改革を悪用して憲法違反ではないでしょうか?

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おっと、

そんなことからかかわりなく、自分の楽しいことを継続できる。

そんな虫の目は面白いのではないでしょうか?