管理人です。
今日はまじめな話です。
強力な免疫抑制薬を使用する前には、
感染症検査スクリーニングが最近は必須となっています。
この状況は
Should be doneであり、医療保険上は疑い病名をつけて検査することになります。
したがって、どこまでするかは努力目標のはずです。
しかしde novo肝炎による死亡症例に対して、裁判上は敗訴が確定していますので、
われわれは過剰なくらいのスクリーニングを司法から要求されている状態です。
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そこで各学会からガイドラインを策定して、
スタンダードなスクリーニング方法を定めてくれています。
しかしHBc抗体陽性例のフォローアップを月に1回のHBV-DNA定量すべしといった、完全に検査スケジュールと、保険医療を無視した内容が含まれています。
また、HBs抗体とHBc抗体が保険上同時に測れないという、
矛盾を含んでいます。
肝炎の予防接種を受けた人はもれなく、HBs抗体が陽性になるので、
全員DNAチェックまでしなきゃいけないのか?。。。
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もう一つは、結核のスクリーニングが重要です。
結核のスクリーニングはインターフェロンγ遊離試験といわれるもの、
つまりQFT検査もしくはT-SPOT検査で行われます。
生物学的製剤登場当初は、ツベルクリン反応とこのインターフェロンγ遊離試験を
併用することが求められていましたが、
現在はインターフェロンγ遊離試験単独で行われることが多いはずです。
ところが保険上は、画像検査を行っても結核の疑いが残る症例だけが適応となっているようです。
私も何回もこれで、査定を受けました。
仕方なしに同日に胸部単純X線を追加施行して、なんとか詳記をつけていますが・・・
でもよく考えてください。
検査の感度と必要性が違います。
結核を疑う時には誰もが胸部CTを必要とします。
逆に胸部単純X線の感度なんて知れています。
免疫抑制スクリーニング時には、インターフェロンγ遊離試験が可能とすることで、
むしろ無駄な胸部単純X線のコストと、患者被爆をなくすことができるのではないでしょうか?
その分、コストを減にして費用負担を減らす。
それが必要だと思います。頭を柔らかくしてくださいね
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しかも日本では現在、
MTX導入前も同程度のスクリーニングが必要
とされてしまいました。
国はMTX使わしたくないのか~~い!!
誰の何を守りたいのかわからないカオスですよね笑
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ところで、
オーストリアにおけるスクリーニングはどんな感じなんでしょうか??
MTX導入前には実際上行わない。
(MTX導入を優先する しかも結構な容量 25㎎?)
バイオの前には、書類上の説明にサイン、スクリーニングシートにサインを行ったうえで、さらに胸部CT、QFT、肝炎A/B/Cをチェックしていました。
また、HA/B/Vに関してはすべてに関して
抗体・抗原両方を同時に測っていました。
日本みたいにちょっとを削減しようとして、
○○が陽性であったら次にこれを測って良いとか、
無駄なルールで時間と思考力を消費するナンセンス
かもしれない・・・ というメッセージを痛烈に受けました。
医療保険の違いもあるのですが、
こちらでは目的にずれたルールは作らないというのが明らかですね。
日本に帰国したら、どうしましょうかね・・・
MTX前の胸部CTには抵抗があります。。。
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