先日、話題の本でありながら、値段が高いことでなかなか手が出なかった本を嫁が買ってきたので、先に読ませてもらいました。
「君たちはどう生きるか」です。
ずいぶん昔からある本ですが、最近池上彰さんが最も影響を受けたと発言したことで、もとの文章だけでなく、このように漫画でわかるシリーズも出ました。
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この本はなんなのか?
中学生(戦前)のコペル君とオジサンが、日常のやりとりで交換日記を通じて会話を重ねていき、人生とは、人とはを学んで行く物語です。
もっとも私が感銘したのは、自己とは社会の一部である小さな存在であると同時に、他人や環境に流されるのではなく、自分自身の根っこをしっかりと持って、自分をしっかり立てて生きていかなければいけないというところでした。
漫画でわかるシリーズの割には、文章のところが多く残されています。他の漫画シリーズと比較すると文章力と読解力がわれわれ読み手にも要求されます。文章はシンプルなんですが、読み手の心の中にある経験や思いと反応して、多用な意味をもつ、考察や示唆に富んだに、読書感想文に向く本といえます。
もっとも、いまさら読書感想文は私は書きたくはありませんが。
自分の道は自分で選び取って生き生きとしなければいけない
文章は少し違ったかもしれません。
しかし、このようなことが書かれていたように思います。
高度に発展した今の社会では、会社などの組織が優先されすぎて、個をころすことが過剰に要求されているように感じます。
業務内容も上司の命令は絶対、常時の上司の命令はさらに絶対、この繰り返しで、個人が生きる意味を考えることが許されなくなってきている気がします。
会社の存在意義が「社会のために役立つこと」ではなく、「手段を問わず利益を上げること」となっていることも拍車をかけているように思います。
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こんな問題もありました。
www.orthopaedicrheumatologist.com
銀行はすべからく、庶民の敵であるという風にさえ思えてきます。
われわれ日本人は、ある我慢強い民族です。
それゆえ個人という分子がぶつかり合う社会の中で、過剰に個を押し殺して、会社の正義の身を真実だと信じて行動するということが、自分の心と反する形で進んでいるのではないでしょうか?
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私はこの本を読んで、自分の根っこからあまりに離れた要求や利用しようとしてくる対象には、手を貸さないことを決めました。
また他の本ですが、人間が幸福感を感じるのは、究極に利他的になれた時であるという統計があることも知りました。
リウマチ医として、やることは明確です。
ひたすらただ、患者さんの未来のために。